8割の人が必要と回答した「自転車専用レーン」の曖昧すぎる実態とは?

2015/08/15 11:00

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自転車で歩道を走っていると歩行者で前をふさがれてしまったり、はたまた車道を走っても危うく車と接触しそうになったり…と、肩身の狭い思いをした経験はありませんか?

その解決策として、近年になって続々と増えているのが「自転車専用レーン」。実はこれ、2008年に道路交通法が改正された時点ではほとんど設置されていなかったのです。


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■自転車専用レーン、きちんと活用している?

しらべぇ編集部では自転車専用レーンについて、「マインドソナー」でいくつかのアンケートを実施。すると、さまざまな現状が見えてきました。

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自転車専用レーンをきちんと走行するかの質問では、6割以上の人が「いいえ」と回答

たしかに車道と縁石などで区切られた中では、歩道と専用レーンの区切りは地面のペイントのみのところも。歩行者がそこを歩いていて、自転車が通れないのをしばしば見かけます。

また自転車に乗る側がその境界を守っていない、という問題もあるでしょう。それらが結果的に、歩行者と自転車の区切りをあいまいにしているのかも。

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そこで、自転車専用レーンは必要かどうかを聞いてみると、80%以上の人は「自転車専用レーンは必要だ」と感じていることがわかります。

大多数の人が自転車専用レーンの必要性を感じているのにも関わらず、実際はその役割を果たせていないのが現状ということでしょうか。


関連記事:【罰則規定も】ベルを鳴らすのは実は違反!弁護士が教える自転車の道路交通法

 

■自転車=車道を走るのがルール

sirabee0819jitensya©iStock/ l Razvan

誰もが知っているはずの「自転車は左側通行」という、このルール。

では、「自転車は軽車両」と分類されていることはご存知でしたか? 1960年に制定された道路交通法で「軽車両」とされた自転車は、車道を走行することが定められたのです。

ところが急激な車の普及により自転車と車との交通事故が後を絶たず、その緊急措置として「自転車は歩道を走ってもよい」ということに。

つまり、自転車は「車道または専用レーンを走行する」のが原則で、「やむを得ない場合のみ」歩道を通ってもよいというわけなのです。

この原則が守られているのか調査すべく、編集部が同じく「マインドソナー」できちんと車道を走行する人の割合を調査。すると、「はい」と答えた人は43.2%という結果になりました。

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やはり車道を走る危険性も相まってか、半数以上の人は歩道を走行しているようです。


関連記事:子供も乗る自転車…その交通ルールを教習所に通うまで習わない現状はどうなのか?

 

■狭すぎる…世田谷の自転車専用レーン

ところで、東京世田谷区のとある自転車専用レーンが「通れる人いるの!?」「逆に事故る」と、少し前から話題になっています。

https://twitter.com/sakamobi/status/511302504777146368/photo/1

さすがにこの狭さだと、歩道を走行したほうが賢明といえそう。本当に自転車専用レーンとして機能しているのか、怪しいところです。

今後自転車専用レーンは、自転車に乗る人だけでなく歩行者や車のドライバーにとっても、快適に通行するため重要な役割を果たすことまちがいなし。

ただ、あいまいな歩道との区切りをはっきりさせることが、これからの課題といえそうです。

(文/しらべぇ編集部・かずきち

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