津波被害を受けた三陸に「稼げる仕事」を!漁師集団「フィッシャーマンジャパン」とは?

社会

2015/08/22 11:00

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甚大な津波被害を受けた東北・三陸地域の漁師13人が集まって立ち上げた、「フィッシャーマンジャパン」という団体がある。

2014年7月に創設され、日本全国や世界に向けて、「世界三大漁場」と言われる三陸の海の幸について、情報発信を行なうのが目的だ。

その活動の一環として、8月20日、東京・日本橋で漁師とファンとの交流イベント「第2回漁師カフェ」が開催された。

彼らは、なぜこのような活動に取り組んでいるのだろうか。

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■スーパーではわからない「旬」がある

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カキ漁師の阿部貴俊さんは、カキの殻のむき方を紹介。カキはむき身よりも殻つきの状態を調理して食べるのがオススメだから、というのが、貴俊さんが「カキむき伝道師」を名乗る理由だ。

通常スーパーなどで売られているむき身のカキは、殻を取った後に真水で洗浄されているため、本来のカキの味が失われてしまっているらしい。殻の中に残っている海水といっしょに食べてほしいという貴俊さんのオススメの調理法は、

フライパンに少し水を入れ、カキのフタの部分(殻の平らなほう)を上にして、7分ほど蒸す

というもの。殻の中の海水で蒸すことによって、カキ本来の味を保つのだ。

また、カキの旬の時季は一般的には10月~3月と言われてるが、これは「漁業組合がその期間を出荷期間と定めている」ため。じつは、産卵の準備を始める4月~6月の「春カキ」がとてもおいしいそうだ。


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一方のホタテは秋が最もおいしい時期。北海道や青森は貝柱が大きいのに対して、宮城産は「甘さ」が特徴で、刺身で食べるのがオススメとのこと。こんな情報も漁師と直接交流しなければ得られない情報だ。


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■いま、漁師が面白い

3人に話をうかがった。

--フィッシャーマンジャパンはどういったきっかけで始まったのでしょうか?

東日本大震災の以前から、日本の水産業は疲弊していましたが、特に我々のいる石巻は、漁業の発展なくして復興はあり得ないと思っていました。そのためには、情報発信をしていく必要があったのです。情報発信をして、共感を得ることができれば、人は集まってきます。


私たちは、10年後までに漁師を1000人増やすという高い目標を掲げています。漁師を「カッコよくて、稼げて、革新的」な「新3K」なものにしたい。そのためには、自分たちの力だけでは足りない。皆さんの力を借りる必要があるのです。(事務局・長谷川拓也さん)


これまで漁師は自分たちの頭だけで考えていましたが、本当は、消費者の方に価値を感じてもらうこと、意見をもらうことが大切です。


Facebookなどを使えば、これまでよりも身近にやりとりできますし、今回のようなイベントではさらに深いコミュニケーションをとることができます。(カキ漁師・阿部勝太さん)


情報発信をして消費者の方々と直接つながると、フィードバックがあります。そこから得られる気づきはとても大きく、改善してまた見てもらうことができます。(ホタテ漁師・阿部貴俊さん)


--漁師の魅力とは何でしょう?

海産物は、「手間をかけるほどおいしくなる」というわかりやすさがあります。ただ、これまではそれで終わりでした。しかし、消費者の方と直接つながることで、「おいしい」といった声やリピートなど、もっとわかりやすい反応として、自分たちの努力が返ってくるようになったと思っています。


じつは今までは、手間をかけても、そこまで市場で高く評価されるわけではありませんでした。しかし、評価がわかりやすくなる仕組みができたことで、手間をかける意味がぐっと出てきて、とても楽しく感じています。(阿部勝太さん)

■イベントやおいしい海産物が目白押し!

今後、月1回のイベント開催を目標としており、次回は9月25日に川崎で行われる予定。

またシーズンになれば、獲った海産物を当日発送してくれる「オーナー制度」もあるので、こちらが気になる人も要チェックだ。

(取材・文/しらべぇ編集部