しらべぇ

復興を目指す東北に「究極のお土産」が誕生!【マッキー牧元の世界味しらべぇ】

コラム

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9月14日の月曜日、東日本大震災の復興に挑戦する東北の事業者が参加する、「世界にも通用する究極のお土産 -『新しい東北』の挑戦」が行われた。前回は2年前全国から選りすぐったお土産を集結させ、ベスト10を選んだ。

どれだけの数が集まるか注目が集まったが、なんと500に及ぶ応募があった。その中から一次審査を通過した112のお土産が、当日集まったのである。

短角牛、りんご、八戸鯖、いぶりがっこ、牡蠣、ハタハタ、だだ茶豆、さくらんぼ、アワビ、金華鯖、ほや、みしらず柿などなど、東北の特産品を使って、アイデアを凝らしたお土産がずらりと並ぶ。

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会場では、審査員、関係者、各社バイヤーがひしめき合い、生産者が自社の製品を熱く語る。審査員だった私は、2時間で112作品をすべて試食した。いやあ大変でしたが、作り手の皆さんの話を聞き、試食すると、一層の愛着がわく。選ぶのに悩む。

酒の肴、ご飯のおかず、菓子、飲料、調味料、麺類など多様な土産品は、一つ一つ入念に考えられており、独創性に飛んでいるが、なによりも地元の食材への愛がある。復興へなんとか弾みをつけたいという熱意が、ものづくりに生かされている。

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選ぶのに苦労したが、3つの基準を設けてみた

①   地元の食材を使い、その食材の持ち味を生かしきっているか?

②   世界にも通用するというタイトルに似合って、外国の方にも受けいられるか?

③   多くの食いしん坊の友人たちに送った時、驚き喜んでもらえるだろうか?

という3点である。

特にお土産は③のポイントが大事で、美味しいというのは最低条件で、それよりも、値段が手頃、ストーリー性がある。独自性がある。ネーミング、パッケージというのが大事になってくる。

 

気になったお土産をいくつか紹介しよう

●「AOMORI CIDRE」(青森市)

アルコールの入っていないシードル。りんごの香りがさやかで甘さと酸味のバランスよく、後口も綺麗である。ノンアルコール飲料として、料理の脇におけば、魚介料理や鳥料理を盛り上げてくれそうなやつである。

 

●「天然白塩」(むつ市)

むつ市からは珍しい塩が出品されていた。天然色素を使った「天然白塩」である。ベリー類やかぼちゃなどを使い紫や緑、橙、黄色、青紫、ピンク、赤、薄紫などが用意されている。

時間がかかっても色が劣化しないように調整するのに苦労したという。料理に彩りと添えてもいいし、インテリアとしても使える。なにより女子受けする。当日も会場では、多くの女性が立ち止まって話を聞いていた。

 

「山形代表 詰め合わせ7缶セット」(南陽市)

山形を代表する果物を使った果汁100%ジュースで、桃、ラフランス、りんご、柿、ぶどう(白)、ぶどう(赤)、トマトの詰め合わせである。7缶で1189円と安い上に香りの立ち方がすばらしい。まるで生の果物をそのままいただいているような、自然な味わいである。

 

●「気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース」(気仙沼市)

普通のオイスタ〜ソースは牡蠣を煮詰めてエキスを抽出するが、これは牡蠣を丸ごとエキス化してある。丸ごと牡蠣が入ったオイスターソースはどこにもないのではないか。料理に使えば今までの料理が激変すること間違いない。

 

おかず部門は「金華鯖燻製」(石巻市)

食べると燻製香がついているものの、生の鯖のしなやかさがある。脂の甘みがある。聞けば10度で乾燥させ、10度で燻製にかけたゆえに、この食感が生まれたのだという。

「なぜこんな方法を思いついたのですか?」という問いに対しては、「だって俺らは生の鯖の美味しさを知ってるから、それより美味しくしなきゃ加工した意味ないからね」と笑われた。

 

●ベストは「香木実(かぐのきのみ)」(会津若松市)

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画像出典:本家長門屋

そして僕がベストに選んだのが、会津若松市の「香木実(かぐのきのみ)」である。嘉永元年(1848年)創業の老舗「長門屋」による会津産鬼胡桃を上質な餡で包み高騰をまぶした質素なお菓子。

胡桃の香りとほろ苦さ、あんこの品のいい甘み、黒糖のコク、小さいながらほのぼのとした美味しさを呼ぶ。

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選んだ理由は

① 餡や黒糖の製造、素材の吟味、胡桃の選別に、時間をかけ、手間暇をかけたものだけが持つ、誠実な美味しさがあること。

 

② 一見トリュフチョコレートのようで、お食べるとお茶受けだけでなく、コーヒーにも合い、外国の方にも喜ばれること

 

③ 最近派手な菓子や真似しているような菓子が多い中で、こういう虚飾のない菓子こそ見直されるべきだと感じたこと。

 

④   香木実とは、古事記に出てくる不老長寿の実で、お菓子の神様を探しに東北を旅する話の中で記されていること。なにかロマンチックな話で、菓子は夢見心地にさせるものであるという点からも、この名前が素晴らしく思ったのである。

贈れば必ずあなたのセンスと品がにじむ菓子とは、こういう菓子のことを言う。

(文/マッキー牧元

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