「連休中はみんなと違ってオレ仕事!」と自慢する人たち 社畜アピールが見落としているもの

社会

2015/09/22 18:00

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シルバーウィークも残りわずか。連日、大混雑する全国各地の行楽地の様子がニュースで伝えられている。

とはいえ、誰もが休みを取っているわけではない。医療関係者やインフラの仕事に就く人はもちろん、それ以外の職業の人でも休日出勤をしている人は少なくない。

事実、Twitterなどの一部SNSでは連休中に仕事に従事する人たちの声を多く拾い上げることができる。

シルバーウィーク?なにそれ?食べれるの?

連休中に仕事してるオレに何かいいことありますように

社畜には連休なんて必要ない!休んだら仕事の緊張感が途切れるから!

彼らは、休日にもかかわらず仕事をしている自分の声を少しでも聞いてほしいと思っているのかもしれない。


 

■「休みより仕事」派は一定数存在する

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だが一方、いやいやながら、というよりも喜んで仕事をしている「ポジティブ社畜」とでもいうよう労働者も一定数存在する。

たとえば、本サイトが過去に実施したアンケート調査によると、「仕事より家族といるほうがストレスに感じる」と答える人は19.5%存在する。

また、お盆中に一日も休まなかった人も23.6%いるようだ。

彼らの中には、「何もしないよりは仕事をしているほうが落ち着く」「仕事を通して自分の限界を知れるところが好き」という意見を持つ者もいるという。

関連記事:【社畜度テスト】「仕事より家族といるほうがストレス」は◯人に1人 仕事始めが待ち遠しい?

 

■「みんな休んでる中で仕事しているオレ」はウザいとの声

だが、こうした一部労働者の「社畜アピール」に対して違和感を持つ人もいる。特にその傾向が強いのが公務員だ。

東北地方の某中核市で自治体職員をしているT氏(34才・男性)。彼はSNSでたまに見かける「連休中に仕事してるアピール」をしている人たちを冷ややかな目で見つめる。

まず、仕事の種類によって休日出勤が成立する仕事とそうでない仕事が存在することを忘れてはいけません。たとえば消防士には休日出勤という概念は基本的にはない。

また、休まずに仕事をしたがゆえに人命にかかわるミスを招く職業も少なくありません。筋トレじゃないのですから、人より長時間仕事をしていることのアピールは何もカッコ良くないですよね。

■社会問題を生み出す「社畜アピール」

関東某所で小学校教員をしているM氏(41才・女性)。彼女が懸念するのは、休日出勤者たちの「仕事しているアピール」が大きな社会問題を招く危険性を持っていることについてだ。

近年問題になっているブラック企業問題は、法律という社会の規範よりも、「気合い」という社内や部署内の無根拠な心理ベースの自己啓発によって無理矢理仕事をさせているから生まれているものです。

また、Mさんは、休日出勤をネット上で喧伝する人たちにはある傾向があるという。

ネット上で「社畜アピール」をしている人たちを注意深く見ていると、現場仕事や第二次産業などに従事している人たちよりも、マスコミやITなど自分の裁量でいくらでも仕事ができる職業の人たちが圧倒的に多いんです。

さらに、Mさんはマスコミ業界を中心とした労働者たちの休日出勤については、こんな疑問を投げかける。

彼らの一部は、いわゆる人気企業に勤めるエリート社員か独立して起業した人たち。遡れば、大学生時代は就活の強者でもあります。

そんな彼らが今になって「休日も仕事してます!」と言われても、もともとやりたかった仕事なんだから黙ってやってろよ、としか思いません。そもそも、私のように地味な仕事をしている人間にとっては、彼らの「忙しいアピール」にはどこかファッション的な側面を感じ取ってしまいます。

ーーファッション的、というのは?

周囲の目を意識し、自分が目立てる言説を探しだして「仕事してるアピール」をしているということです。そうでないとTwitterなどのSNSにわざわざ書き込みませんよね? そもそも、連休中にしっかり休んでいる人をどこか小馬鹿にするような彼らの差別化戦略自体、社会にとって不健全ですし、一番姑息な「逆張り」だと思います。

過労死の問題に象徴されるように、過度な残業アピールは百害あって一利なしだ。連休中に仕事が入った人は改めて休暇を取るべきことは言うまでもないだろう。

(文/しらべぇ編集部