【プロ野球】今シーズン不調な選手…その原因をBABIPから見てみる!

2015/09/26 10:00

九月も中盤、今年のプロ野球も佳境を迎えてきた。

プロ野球

西武・秋山、ヤクルト・川端などがキャリアハイの打率を更新する勢いで打ち続けている一方、オリックス・糸井や巨人・長野は、キャリア最低(規定打席到達時)の打率で苦しみ続けている。

長年好成績を残し続けてきた彼らのような選手が不調に陥ってしまうのにはどんな原因があるのだろうか。昨年首位打者を獲得しながらも今季不振に陥っている糸井を例にあげ、データをもとにその原因を探ってみた。



 

六年連続三割以上・糸井嘉男

レギュラーを掴んだ2009年以降、六年連続三割以上の高打率をマークしていた糸井嘉男。特に昨年は、前半戦から打って打って打ちまくり、自身初の首位打者と最高出塁率の二つのタイトルを獲得。その他にも安打数、本塁打、打点等でもキャリアハイの成績を残した。

そして迎えた今シーズン、糸井は今まで経験したことのないような不調に陥る。打率.254(9/13現在)は、例年の糸井の成績と比較すると絶不調のシーズンといえる。


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昨年より一割近く低い「BABIP」

BABIPという指標をご存じだろうか。日本語に訳すと「インプレー打率」

その計算式は…BABIP=(安打-本塁打)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)となる。

ざっくり説明すれば、「本塁打以外のグラウンド内に飛んだ打球がヒットになる割合」であり、グラウンド内に飛んだ打球がヒットになるかどうかはその野手の能力だけでは決まらないため、その割合には「運」の要素が多く含まれていると言われている。

例えば、捉えた当たりが野手の正面を突くこともあれば、詰まった当たりが内野安打やポテンヒットになることもあるからだ。

ここで、糸井がレギュラーとして定着した2009年からのBABIPを計算してみる。

年度   BABIP
2009 0.36163522
2010 0.357894737
2011 0.372750643
2012 0.350961538
2013 0.335731415
2014 0.355072464
2015 0.262686567

このように毎年.350前後のBABIPを記録しており、この六年間のBABIPを平均すると.356だ。2015年がいかに低い値となっているかがよくわかる。

2015年シーズンの糸井は右肘や右足首の怪我などで登録抹消を経験したこともあったが、それほど大きなものではなかったようで、復帰後の後半戦の打率は.294とむしろ巻き返してきている。

また、本塁打や盗塁の数が、例年と比較して大きな衰えがみられるというほどに減少してもいない。よって、過去の成績と比較してここまで差がひらいたのは、怪我や不調の影響というよりも、単に運の悪いシーズンになってしまっているからといえるだろう。

つまり、来シーズンは、2014年シーズンまでと同様に三割以上の高打率を残せる可能性が大いにある。


このようなデータに基づいた分析は、有益で非常に興味深いものである一方で、不確実な部分も多い。ただ、見方の一つとして知っておくのも面白いかもしれない。

とにもかくにも、今後の糸井の活躍に注目しよう。

(文/しらべぇ編集部・なかしまそうた)

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