魚偏にあの季節だけ存在しない?寿司屋で話したくなる魚介の名前ネタ5選

2015/10/17 11:00


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「味がいいからアジ」と単純すぎる諸説や、なぜか「バカ」呼わりされている貝。魚の名前には面白い話がつきもので、寿司屋で酒の肴にもちょうどいい。そこで、魚の「名前」にまつわる、ちょっと使える豆知識をご紹介しよう。


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①︎魚偏に「夏」という漢字は存在しない

魚偏の漢字でどの魚かを当てるのは鉄板ネタだ。四季の漢字なら「魚」に「春」なら鰆(サワラ)、「秋」なら鰍(カジカ)、「冬」なら鮗(ヒイラギ)との漢字がある。では、魚偏に「」ならなんと読むのか?

結論として魚偏に「夏」という漢字は存在しない。代わりに魚夏と書いて「ワカシ」と読む。以前もしらべぇでお伝えしたが、「若鰤」とも書くワカシは、漢字のとおり「鰤(ブリ)」の幼魚。

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もともと「鰍」も日本で無理やりつくった漢字とされているので、「魚夏」もひとつの漢字にまとめてほしいところである。


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②同じ魚でも、川と海で名前が変わる!

sirabee1008sakana©iStock /  OVasik

日本人に馴染み深い「鮭」、その中でも「紅鮭」はもっとも日本人が食べている種類だ。川の上流で生まれたサケの仲間は、海に降るものと川や湖に残るものに分かれる。紅鮭の場合、そのまま川に残ったものは「姫マス」と呼ばれる。

両者は、オトナになったときの大きさや色などもまったく異なる(川に残ったもののほうが小さい)。

「海で大きくなるほうが強い稚魚だったのか」と思うかもしれないがその逆で、なわばり争いに負けたグループが川を追い出される。

「大きくなって見返してやる!」というささやかな復讐をまさに地で行く魚なのだ。


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③貝殻と身があわないからアワビ?それとも合うからなのか?

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アワビは二枚貝の片方が無く、身が貝殻からはみ出ている。一見一枚貝なのだが、実は二枚貝の仲間

片方の貝殻がないと思われ、貝殻と身があわないことから「あわぬみ(不合肉)としてアワビになった説と、身と貝殻がピッタリくっついているので「あはすみ(合肉)から転じた、という真逆の説がある。一体どちらなのだろうか?


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④シマアジは20以上もの地方名を持っている!

「シマアジ」というのは東京での呼び名。全国では、それぞれ別の名前で呼ばれているのをご存知だろうか。

例えば和歌山県では「ソイ」と呼ばれることが多い。また、だいたい10kg以上や1m以上の特大シマアジは「オオカミ」と呼ばれ、釣りファンの憧れとなっている。ちなみに「シマアジ」という呼び名は伊豆諸島でよく獲れるアジだから。


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⑤バカ呼ばわりされるヒメガイ

「バカガイ」とは、アオヤギをさし、千葉県内でよく収穫される。潮の満ち引きや砂地に合わせて一夜ごとに移動するために「場替え」と呼ばれ、転じて「バカ」となったとされる。

ちなみに「アオヤギ」も貝そのものの名前ではなく、かつてバカ貝の集積地であった千葉県内の上総国青柳村(現在の千葉県市原市青柳)が由来。また、アオヤギ(バカガイ)を炙ったものを「ヒメガイ」と呼ぶ地域も多いようだ。

(文/しらべぇ編集部・髙橋夏帆

生物由来名前調査
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