日本人が愛するマグロとウナギが絶滅の恐れ!食べるのを控える人はデモが好き?
©iStock.com/Nayomiee
「ジャイアントパンダの蒲焼き」や「ガラパゴスゾウガメの刺し身」を食べたことがある人は、おそらくいないだろう。これらの生き物は絶滅の危機に瀕し、手厚く保護されているからだ。
しかし、それと同じくらい絶滅が懸念されている身近な食材をご存知だろうか。
国際自然保護連合(ICUN)の「レッドリスト」には、すでに絶滅したおよそ800種をふくめて2万種以上の野生生物が登録されている。
昨年、ジャイアントパンダと同じ「絶滅危惧1B類」にニホンウナギが、ガラパゴスゾウガメが属する「絶滅危惧2類」にクロマグロが指定され、「マグロやウナギが食べられなくなってしまうのか!?」と大きなニュースとなった。
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■漁獲量も半減で親魚を増やす計画
マグロやウナギの生息数がパンダやゾウガメのように少ないわけではないが、「今のまま漁獲を続けると絶滅する可能性が大きい」ということ。
そこで、2015年から日本近海をふくむ太平洋の西側では、30kg未満の未成魚の漁獲高を2002年〜2004年平均の半分に抑えることが国際的に合意されている。10年後には資源が6〜7割回復するのを目指すという。
とはいえ、日本人が愛してやまないマグロとウナギ。こうした現状ゆえに食べるのを控えるべきと思う人はいるのだろうか?
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■マグロやウナギを控えるべきと考える人は3割
全国20〜60代の男女1400名に調査したところ、「控えるべき」と答えたのは男女とも3割ほど。大半の人は「食文化を守りたい」という意識のほうが優先するようだ。
食欲の差か、女性のほうが「控えるべき」と考える人がやや多いようだ。
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■「デモ参加経験者」は意識が高い?
興味深いのは、デモへの参加経験あり・なしでの違いだ。
デモ経験者は、男女とも5割前後がマグロやウナギは控えるべきと考えている。デモに行ったことがない人とは20ポイント以上の開きが。
やはり「意識高い系」の人たちは環境や生態系の問題にも敏感なのかもしれない。
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■マグロに続いてウナギも「完全養殖」への道が
画像出典:Wikipedia
クロマグロについては、2002年に近畿大学が、人工孵化させた稚魚を成魚まで育てる「完全養殖」に成功。今や「近大マグロ」ブランドとして認知も拡がっている。
一方でウナギは産卵場所や稚魚のエサなど不明な点が多かったが、先月、生まれたばかりの赤ちゃん(レプトケファルス)をシラスウナギまで育てることに成功したと発表された。
いつまでもおいしい魚を食べられるためにも、技術の進歩に期待したい。
(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年9月25日~2015年9月28日
対象:全国20代~60代の男女計1,400名