スローフードをさっと食べる?米国で話題の「スローファストフード」が日本上陸
ハンバーガーや牛丼、ラーメンなど、忙しいときにもさっと食べられて便利なファストフード。カロリーが摂れる一方で、画一的な味や栄養バランス、野菜が少ないなど、批判もある。
そのアンチテーゼとして生まれたのが「スローフード」という考え方。1980年代にイタリアで生まれ、地産地消や伝統的な食文化へのこだわりが世界に拡がってきた。
とはいえ忙しい現代、ランチに何時間もかけるような暮らし方は容易ではない。そこで、米国ではさらなる食文化の進化が見られるという。
画像をもっと見る
■「スローなファストフード」って?
それは、米国で「スローファストフード」と呼ばれるレストラン。こだわりの食材をていねいに調理するため、コストがかさみがちなスローフードをファストフードのように簡易なオペレーションで提供する店だ。
たとえば、サラダなどを1ポーション数百円でセレクトすることができる。人件費などを抑えて価格を下げているため、原価率はかなり高く、つまり食べる側にとってはおトクとも言えるだろう。
東京・渋谷区広尾に11月2日にオープンする「セージ&フェンネル」は、カリフォルニアで流行り始めた「スローファストフード」を日本に持ち込む初めてのレストラン。メニューは、1スクープ400円という手頃な価格でいただける。
シェフを務めるのは、「PARIYA」や「ロンハーマンカフェ」など数々の人気店にて料理長を経験し、フレンチとイタリアンをベースとした欧州の郷土料理が得意な船山義規氏。
畑から土付きで来た食材を、その日1番のコンディションにアレンジして調理する
という信念をモットーに作られる料理を、利用客は 10種類のデリスタイルメニューから好きなもの選ぶ。
スローフードのコンセプトでつくられた料理が、この店では、選ぶとすぐに提供される。スローフードと対極的ともいえる「ファストフード」のいいところだけをすんなりマネて、素材と調理はあくまで丁寧に。
「いいとこどり」でもあり、どちらへのアンチテーゼとも言える。
関連記事:プロレスラーと元アイドルが絶品寿司で大食い競争!衝撃の◯個完食!
■皿の上でゴチャ混ぜにするからウマイ
プレオープンのこの日、メニューは左から順に、
・あやめ雪かぶとスワンかぶのマリネ
・王ヶ頭(おうがとう)かぼちゃと宿儺(すくな)かぼちゃのローストシナモン風味
・人参とレーズンのラペ
・ビーツと紅芯大根とレンズ豆のサラダ
必要最低限の調味料で豊かな味わい。 野菜の甘みが濃厚だ。
あやめ雪かぶとスワンかぶのマリネは、噛んだ瞬間に甘み、そのあと生姜を使ったドレッシングの苦味がくる。プリプリかつコリッとした食感は、まさに「畑のホタテ」と呼びたいくらい。
カボチャの自然な甘みとコクにも衝撃。メインディッシュでもあり、スイーツ感もあって女子には嬉しいだろう。
リーフサラダの味付けは、ゴルゴンゾーラとキヌアのソース。マクロビオティックの世界ではよく知られるキヌアは南米原産の雑穀の一種。食物繊維は白米の10倍、老廃物を排泄するとも言われている。
肉のメニューでは、山形豚のアリスタ・セージとフェンネルの風味。
美しく淡いピンク色の肉は、弾力をふくみジューシー。程よい塩加減にとろける柔らかさ。
関連記事:野菜不足の人が食べるべき3つの「最重要野菜」とは? 食ライターが解説!
■映像作家がスローファストフード店を作ったワケ
店を立ち上げた和泉大介さん(写真・右)と柴田大輔さん(写真・左)。CM制作業界では売れっ子の演出家だ。
和泉さんは以前、ロケで訪れたカリフォルニア州でスローフードを食べた翌日、翌朝の目覚めが抜群で頭の回転も早くなったように感じて衝撃を受けたという。
もともと料理が好きだったことから、映像作家と二足のわらじでその時の驚きを日本にも伝えることに決めたとのこと。
店内には、女子に向けたオリジナルカクテルも。この日は、ザクロとカシスのソーダ、パッションフルーツリキュールにマンゴーとキュラソーをミックスしたノンアルカクテル。
さっと食べられる野菜たっぷりのスローフード。ランチや女子会の店選びに悩む女性には朗報かも。10月31日までは「マクアケ」でお得なクーポンがついてくるクラウドファンディングも実施している。
【セージ&フェンネル】
住所:東京都渋谷区広尾 5―19―6
営業時間:11:30~23:00(定休:月曜日)
(取材・文/しらべぇ編集部・大木亜希子)