【弁護士が解説】リツイートしただけなのに犯罪行為となるケースとは?
ツイッターで「リツイート」という行為ができることは、ご存知の方も多いだろう。
他人のつぶやきの文章等を変えずに、自分からの紹介として、記事をまるごとフォロワーや友人に伝えられる機能で、元の発言者も明示されて送られる。Facebookではシェアという機能が同じような情報共有・拡散コマンドとして働いている。
かんたんな操作で見知らぬ人々へ向けて情報が広がっていき、つながっていく楽しさはSNSならではだが、他人のつぶやきや日記を読んだ人がそれを再投稿する行為は、それ自体で犯罪行為とされる場合がある。
そもそもの発信者ではないのに、他人に伝えるだけで罪になるとは、いったいどういう場合だろうか。弁護士に確認してみた。
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■「リベンジポルノ防止法違反」「名誉毀損罪」になる可能性あり!?
リツイートは、内容いかんによって犯罪に該当する可能性があります。
例えば、交際相手の裸の写真をリツイートした場合には、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)違反になる可能性があるのです。
女子児童のわいせつ画像をリツイートした場合には、児童ポルノ規制法違反。他人の迷惑行為をリツイートした場合には業務妨害罪、名誉棄損罪に問われる可能性があります。(中島宏樹弁護士)
わいせつ画像や業務妨害、名誉棄損に相当するコメントは、たとえ二次送信であっても、その情報を広めること自体が罪に問われる場合があるのだ。
ショッキングなつぶやきや写真などが流れてきたとき、面白がりながら広めたり、あるいは義憤に駆られて情報公開ということもあるだろうが、リツイートも自己責任だという認識が必要だろう。
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■最も気をつけるべきは未成年による公職選挙法違反!
©iStock / kazoka30
それからもう一点、見落としがちだが、法律に引っ掛かってしまう思わぬケースがある。
選挙運動メッセージをリツイートした場合には、公職選挙法違反になる可能性があります。(中島宏樹弁護士)
改正公職選挙法によりインターネットでの選挙運動が解禁されて以降、候補者や政党などがホームページ、ブログ、SNS、あるいはメールなどで多角的な選挙運動を展開している。
個人的にフォローした政治家のつぶやきや日記をチェックしている人もいるだろう。だが例えば、ツイッターやフェイスブックなどのSNSであっても、応援する候補者や政党のメッセージに投票を促すコメントを加えて選挙の当日にリツイートする行為などは公職選挙法違反となる場合があるのだ。
また、反対する候補者に関する虚偽の情報や悪質な中傷をリツイートした場合なども、処罰の対象になってくる。そして今のところは、未成年の選挙運動は禁止されている。政治の話をSNS上でするなというわけではないが、公職選挙法違反については細かい規定があるので十分な注意が必要である。