愛される一方で独特な悩みも?東北の風物詩「芋煮会」の裏側に迫る

2015/11/04 19:00


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山形県を中心にシーズンを迎えている芋煮。以前しらべぇでも「山形県民の芋煮愛」をお伝えしたが、東北地方とくに山形・宮城のひとたちには欠かせない秋の風物詩になっている。

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■芋煮の認知度はおよそ6割!

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アンケートサイト「マインドソナー」で調査したところ、芋煮会を知っていると答えたのは全体の56.0%。東北地方独特の文化ではあるが、全国的な知名度は意外にもなかなかのようだ。


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■仙台で芋煮を体験してみた

山形と並んで芋煮が盛んな宮城県。町を流れる広瀬川の河原には、シーズンになると大学のサークル行事や地域行事で芋煮を楽しむ人たちがたくさん集まる。

中にはブルーシートを敷いて場所取りをする人や、テントを設置する本格派も。

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そのため、近くのコンビニでは「芋煮コーナー」が設置され、醤油やみそなど食品はもちろんのこと割り箸やごみ袋、さらには鍋や薪までもが芋煮コーナーとしてまとめられている徹底ぶり。

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もちろん、近所のスーパーでも入ってすぐに芋煮コーナーがある。仙台の人たちにとって芋煮会がいかにソウルイベントであるかが伝わってくる。

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■山形風と宮城風のちがいとは?

山形県のなかでも内陸地方が醤油+牛肉、庄内地方が味噌+豚肉と味が2パターンにわかれる芋煮。宮城県では基本的に味噌をベースにして作り、一般的には「醤油の山形、味噌の宮城」というのが決定的な違いだ。

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取材班が作ったのは、醤油ベースの山形風。鍋を食べるとき同様にうどんやラーメンなどの締めもある。最後は鍋をどけて、デザートのマシュマロを直接焼いて食べるというのがお決まりらしい。


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■苦労なしでは語れない芋煮

河原でやるのが鉄板の芋煮会。秋になると大勢の人が川に集まり芋煮を楽しむが、楽しいことばかりではないらしい。

「芋煮は準備作業がもっとも重要。河原の石を動かしていちから土台を作ったり大量の野菜をそれぞれ家できって運んだり、意外に体力勝負なところもあってかなり大変。



それにとにかく炭がすごい。川沿いに住んでいると、炭の臭いがついてしまうからこの時期は外に洗濯ものを干せない。週末に芋煮をやったあとの月曜日は教室が炭くさくなることもよくある」(仙台市在住・大学生)

とはいえ、東北地方秋の恒例行事といっても芋煮が定着しているのは主に山形県と宮城県。芋煮発祥の地・山形県出身の吉田さん(仮名)はこう語る。

「河原でやるのだけが芋煮ではない。家庭でも普通に作るし、なんなら味噌汁感覚で食卓に並ぶ。それでも、大勢で集まって外で鍋をかこむ芋煮はやっぱり一味違って楽しい」


山形・宮城の人に親しまれている芋煮。準備から片付けまで寒空の下みんなで作業することで、人の温かさをより感じるイベントなのだ。

(文/しらべぇ編集部・渡辺夏実

調査取材仙台
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