山形なのに名物が「オランダせんべい」?かわいらしいご当地お菓子2選
日本全国どの地域にも「ご当地みやげ」は存在する。そして、それらには名産品が使用されていたり、地元のキャラクターにちなんでいたりなど、ある程度共通点が見られるものだ。
ところがそんな枠にはまらない、一風変わったおみやげが山形県には存在する。
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①地元民のソウルスナック「オランダせんべい」
酒田米菓が販売しているこのせんべい。全国でも有数の米どころである庄内地方で生産されたうるち米を原材料として使用した商品で、昭和37年の発売以来、山形みやげとして長年愛されてきた。
なんと現在でも年間2億枚の生産を誇っており、山形県のみならず、東北各県のスーパーやコンビニでもお目にかかることができる。
このオランダせんべいの表面には、お米の形がうっすら残っている。香ばしい香りも特徴的。
さっぱり塩味のシンプルな味つけと薄くて軽いパリッと食感で、ついついたくさん食べてしまう。お酒のつまみとしてもよく合う。
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■一体なにがオランダなのか…?
しかし、どこにもそのオランダ感はないように思えるこのせんべい。かろうじて、マスコットキャラクターの女の子がオランダの民族衣装(?)を着ているのみ。
気になる名前の由来は、庄内地方の方言が関係していると言う。この地域では、『私たち』のことを「おら(私)だ」または「おらがだ」と言う。つまり、「オランダせんべい」のオランダは「私たち」という意味。
「『おらだ』が丹精込めて作った、『おらだ』のせんべい」というわけだ。
また、時代背景もその一員となった。「オランダせんべい」の発売の昭和37年当時、せんべいといえば醤油味が主流の時代。
過去にスナック菓子の「サラダ味」はサラダの味じゃないことが判明!では何の味?でもお伝えしているが、「塩味」のせんべいは洋風でオシャレという印象で、当時としては画期的なイメージだったのだ。
よって、山形なのに「オランダ」という名前がついた山形土産が誕生したわけである。パッケージに描かれた女の子も、やはり「オランダちゃん」という名前である。
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②カラカラ音がする「からからせんべい」もかわいい
山形県の名産品は他にも存在する。例えば、鶴岡市を代表するおみやげ「からからせんべい」。
庄内藩の藩主だった酒井家のお殿様は甘いものが大好きで、町では多くの駄菓子が売られていたそう。「からからせんべい」のそのひとつだ。
https://twitter.com/blue_winter_/status/463260852166991872
小麦粉と黒糖の生地が三角形に練りこまれ、中には和紙でつつまれた鶴岡市の工芸品のおもちゃがひとつずつ入っている。どれが出るかはお楽しみ。
工芸品の例としては、「御殿まり」や「絵ろうそく」、「いづめこ人形」など。せんべいを振るとカラカラと音がする。すべて、いかにも「和風」と言ったおみやげものになっている。
「オランダせんべい」と「からからせんべい」、いずれも山形の歴史の中で、地元民たちに深く愛されてきた一品なのだ。
(文/しらべぇ編集部・かずきち)