「大人だけビールを飲んでずるい!」と言われたらどうする?

2015/11/26 10:30


sirabee1126ohta001©istock/Thinkdo


 ■なぜジュースがダメで、ビールはいいのか?

外食したときなど、

どうして子どもはジュースをおかわりしちゃいけないのに、パパやママはビールを何杯も飲むの?


と、冷たい視線で詰問された経験がおありの方も多いでしょう。みなさんはそんなとき、どう答えますか?

① 大人はいいの!」と開き直る

② 「たしかに、おかしいよね」とビールをやめる

③ 「そんな堅いこと言わないで!」と子供にジュースをすすめる


汚れなき子供が発するこの壮大なる問いに対し、大人の立場を正当化しようと、いろいろな理由を考えたこともありましたが、どうやっても子供を説得できるような明確なロジックは組み立てられません。子供の言っていることが正論なのです。

アルコールを飲み過ぎれば体に悪いことは明白ですが、そもそもジュースや炭酸がどの程度体に悪いのかも正直言ってよくわかりません。

となれば、できれば②のように、子供と一緒のときには大人もビールを我慢するのがいいでしょう。

きっとお子さんは、スパン! と筋の通った人物に育つでしょう。

それが無理なら、③ちょっとだけジュースや炭酸を許してしまうというのもありではないでしょうか。度が過ぎればジュースもビールも体に悪いのは同じだから、お互いお約束した量だけにしようと決めるのです。

親がこうやって対処しているところを見れば、お子さんは他人の気持ちにも配慮しながら、上手な落としどころを見つけることのできる人物になるかもしれません。

もしくは①のように、「大人はいいの!」を堂々と宣言してしまうのもひとつの手です。逆ギレするでもなく、無視するでもなく、「大人ってずるいよね」なんて言いながら、ひたすらのらりくらりとやり過ごすのです。

お子さんは、他人に何を言われようが多少強引にことを進めることのできる豪快な人物に育つかもしれません(笑)。


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■子供は親の言うようにはせず、するようにする

心理学の学習理論には、「モデリング」という概念があります。人間は真似をすることで学習するということです。

心理学的には、「子供は親の言う通りにはしないが、親のするようにする」と表現します。「親が子供を叩けば、子供も人を叩くようになる」みたいなことです。

「大人だけビールをたくさん飲んでずるい!」というこの状況に対処する方法に正解はありません。しかしモデリングの観点から考えるならば、子供にどんな人になってほしいかをイメージすることで、すべき対応がわかるのではないかと思います。

「ジュースを飲ませたくない」という点にこだわるよりも、「自分の態度を子どもがまねする」という観点で対応を決めることのほうが重要な気がします。

というわけで、我が家では①を選択しました。筋は通っていないし、上手い落としどころを見つけられるようにもならないかもしれませんが、他人に何を言われようが、我が道を行く人になってもらえればなという思いを込めて……。

なんていうほど高尚な考えもなく、

大人っていいでしょ。早く大人になりなさい


なんて、ほろ酔いで言ってたダメな父親をお許しください。

※この記事は全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」とのコラボ企画です。記事の更新は隔週木曜日10:30am。記事更新の約10分前から、おおたとしまさがこのラジオで記事と同様の話をおしゃべりします。

(文/おおたとしまさ

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