堂々と飛行機がポイ捨てされているバンコクの広場に潜入!
2000年代に入り日本の各自治体は路上喫煙に対し罰則が設けられ始めた。いまではどの自治体にも普及しているように見える。
一方、筆者が住むタイでは路上喫煙に罰則は設けられていないが、路上へのポイ捨て行為は警察官に見つかると罰金を支払わなければならない。支払った人に聞くと2000バーツ(約7000円)だと言う。
それほど喫煙者には厳しく、路上へのポイ捨てを取り締まっているというのに、タバコとは比にならないほど巨大な、しかも一般人が所有できないモノが廃棄されている場所があるという情報をキャッチ。
場所はバンコクのラムカムヘン通り。この通りに面した広場に廃棄されているのは“飛行機”だ。飛行機といっても小型のものではなく旅客機である。それらはラムカムヘン通りからでも確認できるほど、堂々と廃棄されているのだ。
近隣に住む日本人に聞くと、数年前からここに捨てられているという。しかも、内部では人が住んでいるらしい。
私が訪れた日はこの広場で祭りが始まる日と重なったらしく、廃飛行機の周辺では飲食店や小物を販売する店が出店準備に追われていたため、誰が住人なのか、なかなか見分けがつかない。祭りには連日、歌手が日替わりで訪れるようだ。
私は広場の各所を撮影していると、1人の若者が近付いてきた。
「写真を撮るな」
声をかけてきた若者は16歳ぐらいだろうか。彼は私に前述の一言だけ告げると、元に居た場所に戻っていった。そこには彼の母親らしき人物もいた。彼らはここに住んでいる住人なのだろう。そこを撮影されていることに抵抗感を感じたのかもしれない。
普通に開放されている広場に、飛行機を廃棄できることも謎だが、撤去されずそのまま放置され、しかも人が住んでいるまでに至ったのはどういういきさつなのだろうか。
さきほどの近隣に住む日本人に聞くと、彼女はこういうウワサがあると教えてくれた。
「この広場自体が飛行機を所有している会社の土地で、だから簡単に持ってこれたんじゃないかと。ここに廃飛行機を持ってきたのは、“飛行機型レストラン”を運営しようと計画していたという話もあります。それが実現できなくなり、持ち込んだ飛行機はそのまま放置。いつしか機内で人が住むようになったのでしょう」
さまざまな憶測を呼び、海外メディアも取材や撮影に来ている廃飛行機広場。いま現在は柵が設けられ中には簡単に入れなくなっているそうだ。Googleアースには昨年撮影した写真が今でも掲載。
以下のリンクは真向かいの飲食店がポイントされているので、ここからぐるっと見渡せばその姿を見ることができる。
Google Map
(取材・文/しらべぇ海外支部・西尾康晴)