【自宅でも簡単につくれる】日本酒を寝かせた「古酒」の魅力
ワインやウイスキー、紹興酒など、「◯年物」をうたうお酒がある。デニムなどにもつかわれる「ビンテージ」という言葉は、「ワインの歳」を意味するものだ。
しかし、日本酒で「古酒」と言われると、いまいちピンとこない人が多いのではないだろうか。だからこそ「狙い目」のジャンルなのである。
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■酒屋さんによる古酒ブランドも
『寝越庵(ねごしあん)』というブランド名で全国の蔵元と古酒のプロジェクトを仕掛けるのは、「熟成古酒あいちや」の伊藤さん。
岩手の南部美人や岐阜の達磨正宗などと、熟成に向いた特徴的なお酒を生み出している。
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■古酒に注目する蔵元も
銘酒『岩の井』で知られる千葉県の老舗、岩瀬酒造( 1723年創業)は、以前から日本酒のエイジングに注目してきた1軒。20年ものの日本酒を『二十歳のお酒』として販売している。
上の写真の左右それぞれ色が違うのが、熟成前と後。ほぼ無色透明な液体が、ウイスキーのような色合いに変化しているのがわかるだろうか。
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■古酒は敷居が高い? いえいえ自宅でも簡単!
ワインでもウイスキーでも「ビンテージ物」はかなりお値段が張る。まだそれほど注目されていない日本酒の古酒でも、熟成にかかる時間と場所のぶんだけそこそこ高くなるのは仕方ない。
しかし、じつはご自宅でも簡単に熟成させることができるという。岩瀬酒造の住吉さんにやり方を教わった。
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①お好みの日本酒を瓶ごと新聞紙で包む
日本酒の大敵は紫外線。日光を避けるために、新聞紙でぐるぐる巻きにしよう。
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②このまま冷暗所で数年(常温でも可)
蔵でも、熟成は冷蔵庫ではなく常温で行われているとのこと。冷蔵庫に入れなくても、冷暗所であれば問題ない。
お酒のエイジングは、ウイスキーのように樽で行なうもの(樽熟)とワインのように瓶詰めしてから寝かせるもの(瓶熟)があるが、日本酒の場合は後者。数年たって新聞紙を開くと、まったく違う姿を見せてくれるはずだ。
写真のように澱が出てきて色づいていれば、成功。家で日本酒を飲む機会も増える年末年始、今年の締めに「古酒づくり」にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)