『情熱大陸』に出てみたい? 妄想が痛すぎる人たちも
妄想のまま終わってしまう人も多いものの、夢を見ること自体に意味がある、そう思えるインタビューであった。
②「村上チルドレンの出世頭になり、直木賞受賞」
「子供の頃から小説好きで、村上春樹が憧れ。作品もだけど、生き方が超格好いいんですよ。毎日執筆とランニングをひたすら繰り返す…そんなライフスタイルに影響されてランニングを開始、テーマソングはもちろん葉加瀬太郎の『情熱大陸』です。
創作に対する想いを語る妄想、直木賞の受賞インタビューで変人を装う妄想、翌日のスポーツ新聞の一面を飾る妄想などをしていました。今はしがないライターとして生きてます。年収は想定の10分の1以下」(25歳男性・ライター)
③「葉加瀬太郎とライブでコラボ」
「幼少期からピアノを習っていたので子供の頃の夢はピアニスト。『情熱大陸』のクリエイター回はとくに好きで、録画して何度も見てました。『相棒』の脚本家の古沢良太さん、作曲家のヒャダインさんの回は100回以上見て、暗唱できますね。
今も音大でピアノは弾いてますが、世界には到底行けそうにないし、普通に就活する予定です。でも、別に夢破れたって感じではないんですよね。今に生きてると思うので。葉加瀬太郎さんとライブでコラボする妄想をしてたのが懐かしいです」(21歳女性・大学生)
④「妄想しすぎて実際に動画を作った」
「佐藤可士和さんに憧れてクリエイティブディレクターになりたかった僕は、大学の卒業制作で『情熱大陸』をオマージュした動画を作りました。長さは10分、友人や教授に、ひたすらクリエイターとしての自分を褒めてもらうという設定で、オープニングの手書きのところから最後の曲まで忠実に再現。
就活でも使って爆笑をとりましたが、『今回募集してる枠にはクリエイティブすぎる…』という理由で落ちてしまいました。社会の理不尽さを知った瞬間」(28歳・男性)
多くの人を妄想へと駆り立てる『情熱大陸』。残念ながら夢のまま、妄想のまま終わってしまう人も多いものの、夢を見ること自体に意味がある、そう思えるインタビューであった。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)