「全裸になれ」女→男の暴力は何が問題なのか
親密な関係にあるパートナーから暴力をふるわれることを指す「DV」。世の中で騒がれるDV被害は、男性から女性への暴力が中心だ。
しかし警察庁によると、ここ4年間で女性からDVを受けた男性の被害件数が、約7.5倍に急増しているという。今回しらべぇ編集部が行った調査でも、その事実が浮き彫りになった。
どちらの質問でも、20~30代の若年層の被害が多く、とくに「殴る」「蹴る」などの身体的暴力については、50代の4倍以上という顕著な差が表れた。そこで、今年話題になった被害や、実際にあった具体例をいくつかご紹介したい。
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【2015年の男性のDV被害】
①「私に信じてほしいなら、ここで全裸になって」と要求
これは、今年1月に大正大学内で起きた事件。同大学の非常勤講師として勤務していた55歳の男性職員は、交際していた21歳の同大学の女子学生と学内で口論となった。
その際、女子学生から「私に信じてほしいなら、ここで裸になって」と要求され、彼女の言うとおり、着ていた洋服をすべて脱いだ。その後、脱いだ服を女子学生に持ち去られてしまい、全裸でいたところを別の学生が目撃。講師の全裸写真がTwitterで拡散され炎上する騒ぎとなった。
女子学生には情緒不安定な一面があり、感情が高まると突発的に不可解な行動に出ることが度々あったという。男性講師は、指示どおりにしないと彼女の気が収まらないことを知っていたため、素直に従ったと話している。最終的に、この男性講師は自ら辞職の道を選んだ。
②激しく頭突きされ、頭痛が止まらくなりMRI検査
ハーフタレントのJOYは、以前付きあっていた彼女から、ひどい暴力を受けていた。殴る蹴るは日常茶飯事。あるとき京都にロケに行った際、「八つ橋が食べたい」と彼女に言われたため、八つ橋を2箱お土産として持ち帰った。すると「1箱でいいんだよ!」と、激しくビンタされた。
またあるときは、頭突きされたあと頭痛が止まらなくなり、MRI検査を受けたという。彼女とはすでに別れたそうだが、心にも傷を負ったにちがいない。
©iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
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【男性のDV被害の具体例】
女性から男性へのDVは、上述した被害以外にも数多く存在する。具体例は以下のとおり。
●「稼ぎが悪い」「ダメな人ね」「もっと働け」などの言葉の暴力
●「別れるなら手首を切って死ぬ」「出ていくなら刺す」など、包丁のような凶器を持ち出して脅す
●お小遣いを渡さない、食事を与えない、外出を制限する、子育てに口出しをさせない
●男性が反論するとヒステリックになり、わめいたり物を投げつける
女性から男性へのDV被害が表沙汰にならないのは、「プライドが許さない」「DVだと認識できていない」などの理由から、男性が相談しづらい背景があるという。しかし、被害の急増を食い止めるには、男女関係なく、被害者がガマンせず声をあげるべきだ。
(文/しらべぇ編集部・小林香織)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:調査期間:2015年08 月21 日~2015年08 月24日
対象:全国の20〜60代男性486名