「上級国民」を自認しているのは20代と公務員!なぜ若者が?
フランスの経済学者トマ・ピケティが所得格差や不平等について論じた『21世紀の資本』 は昨年、世界的なブームとなった。
難解な経済書であるにもかかわらず日本でも大ヒットしたのは、国内でも格差を実感する人が多くなっているからではないだろうか。
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■流行語となった「上級国民」
そんな中、五輪エンブレム問題をきっかけにネット上で流行語となったのが「上級国民」。一般国民よりアッパーな階層の人々を指す言葉だ。
しかし、自分が「上級だ」と思っている人は本当に存在するのだろうか? そこで、しらべぇ編集部が全国20〜60代の男女1,353名を対象に上級国民探しを行なったところ…
上級国民を自覚する人は6.8%。自分たちを特別な存在と考えるには、ちょうどいいくらいの割合と言えるだろう。だがしかし、その内訳を見てみると…
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■どう考えても「上級」ではなさそうな世代も
男女・世代別でもっとも「上級」を自覚している人が多かったのは、20代男性! さらに20代女性が続く。逆にもっとも低かったのは、男女とも40代だ。
普通に考えると、社会人になったばかりの世代より、歳を重ねてビジネスなどで成功した人たちのほうが上級意識を持ちそうだが、これが若さというものだろうか。
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■公務員は上級国民率が高い?
職業別では、意識の違いがはっきりあらわれた。
もっとも上級意識が高いのは公務員で全体平均の2倍近い。倒産もリストラもない安定した身分で市民や民間企業を監督するという立場が、「お役人さま」意識につながるのかもしれない。
一方、フリーターは無職よりさらに割合が低く、非正規雇用で働くワーキングプアの問題も透けて見える。上級国民を自覚する人たちには、まずこうした社会問題を解決してもらいたい。
(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年12月22日~2015年12月24日
対象:全国20代~60代の男女1,353名