さっきのトイレットペーパーの前世は「お札」かも!?
製造年が刻印されている硬貨と違い、紙幣はいつつくられたかがわからない。自分が持っているお札がいつごろ製造され、そして消えていくのか想像したことはあるだろうか?
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■86.3%の人が知らなかったお札の儚い一生
しらべぇ編集部がアンケートサイト「マインドソナー」で実施した調査によると、お札の寿命を知っている人は全体の1割程度。ほとんどの人が知らないという結果になった。
実は、千円札や五千円札は1~2年で使い古してしまい、その後はすぐ廃棄に回されてしまうのだ。一万円札の寿命は4〜5年ほど。
千円札や五千円は使用頻度が高く、お釣りとしても多く用いられることから早くボロボロになってしまうため、一万円札よりも短命だ。
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■使い終わったあとのお札はどうなる?
世に出回り再び日本銀行に戻ってきたお札は、「鑑査」とよばれる工程を経る。
そこではお札の真偽や枚数を確かめたり、汚染の程度をチェックし流通できるかどうかの整理が行われる。鑑査で流通不適合とされたものは、復元できない大きさに裁断されるのだそう。
しかも、その裁断片はその後、トイレットペーパーや事務用品などの日用品にリサイクルされているそうだ。
これについても同様にアンケートを行った結果、6割の人には知られていなかった。普段何気なく使っているものの中にも、リサイクルされたお札が混ざっているかもしれない。
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■日本銀行に直接聞いてみると…
生活に身近であるにも関わらず、多くの人がお札についてよく知られていないというこの事実。しらべぇ取材班は、日本銀行に話を聞いた。
Q.日本銀行に戻ってきたお札は、どの程度の汚染だと裁断されてしまう?
「再度流通するのに支障があるかどうかで判断しますね。破れかかっていたり、落書きがあったりするものは裁断にまわします。できるだけクリーンな状態を維持したいのです」
Q.鑑査を行う機械である「銀行券自動鑑査機」は、一日中稼働している?
「営業時間中は稼働しています。また、この機械が流通の基準に満たないと判断した紙幣は、別ルートに回されます。そして人の目でひとつひとつチェックし、再度判断されるのです」
Q.どのくらいの細かさまで裁断される?
「1ミリ刻みほどまで小さくします」
Q.リサイクルされる裁断クズはその製品の業者に直接受け渡される?
「そうですね。細かく裁断されたものを業者に委託します」
Q.それ以外は「燃えるゴミ」として扱われる?
「はい。一般廃棄物として各自治体のきまりに沿って捨てられます」
身近でありながらも、意外と知られていないお札の一生。その儚い生涯に想いをはせたなら、別れも惜しくなり、無駄遣いも少なくなるのだろうか。
(取材・文/しらべぇ編集部・かずきち)