「ライブでアンコールがないと損」不機嫌になりがちな県民は
昨年6月、T.M.Revolutionの西川貴教がライブでの「アンコール問題」について持論を述べ、話題になった。
常々アンコールに関してお答えしていますが、基本は本編で全て完結しており、チケット代はこの本編に対して頂戴しております。更に求められ、それに応える心と心の呼応がアンコールです。本当に求めて頂ければ、いくらでもお応えします。ですから『もっと』のアピールは、強く大きくお願い致します。
— 西川貴教 (@TMR15) June 28, 2015
西川によると、そもそもライブのセットリストというのはアンコール曲を含めていない構成で、その内容に対するチケット代金を設定しているということだ。
またツイートの後半部分に関しての発言には、「アンコールを強要している」との批判もあったようで、西川は以下のように釈明した。
昨日のアンコールに対する発言ですが、お客様にアンコールを強要している訳ではなく、アンコールを頂きステージに出ると、スマホを触ったり、着席して談笑されてることがあるので、アンコールは演る側も義務ではありませんし、お客様も強制ではありませんよ、というそもそものお話をさせて頂きました。
— 西川貴教 (@TMR15) June 30, 2015
「アンコールをやるのは義務ではない」との西川の考えには、観客に無理にアンコールを求めたくはないとの思いの表れであり、求められたときには精一杯に応えると示している。
だが、この「アンコールは義務ではない」との考えだけを切り取ってみると、観客の中には「アンコールがなかったら損した気持ちになる」と納得できない人もいるようだ。
しらべぇ編集部では、この「アンコール問題」に対する観客の本音を聞いてみることにした。
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■「アンコールがないなんて損した(怒)」と思うのは女性たち
全国20代〜60代の男女1353名を対象に「アーティストのライブに行ったとき、アンコールがないと損した気分になる?」と質問。これには、全体で3割の人が「損だ!」と答えた。この考えは、とくに女性に多く見られるとも判明。
女性の年代別では、40・50代ではおよそ5割にもなる。「アンコールはあるもの」と想定していたのに、期待を裏切られたと感じてしまうのかもしれない。
だがアンコールの起源をたどれば、観客の盛り上がりによって自然発生的に生まれたものだそうで、西川の言うように「そもそも義務ではない」といえる。
我々はいつのまにか、「コンサートの最後にはアンコールはあるものである」と染み付いてしまったのだろう。
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■20代のバンギャに「アンコール問題」を聞いてみた
ここで、ビジュアル系バンドの熱狂的女性ファン、通称「バンドギャル(バンギャ)」に、アンコール問題について語ってもらった。
—アンコールがないと、ファンの人は残念に思うのですか?
「そういう人もいると思います。なので、必死に『アンコール! アンコール!』ってやったのに、ステージに出てこないときには興ざめしました。文句タラタラな人もいますよ」
—アーティストの中には、そもそもアンコールはセットリストに含めていないし、その構成にこだわってアンコールをやらない人もいるようですが。
「ファンとしてはその気持ちも理解できます。アーティストの思いは受け止めたいです。
だけど、ファンの中には『ライヴで定番のあの曲を聴きに来た』みたいな人もいて、それがアーティストのこだわりでセットリストに含まれてないのは、ライブの最後の最後にショックを受ける人もいますよ。だって、『あの曲はアンコールに決まってる!』って、終盤になるにつれ期待が膨らむんですから。
最後に、『損した気持ちになる』というのはお金の問題ではないのを強調したいですね。なにか物足りなさで、不完全燃焼になってしまうんです。アーティストはこだわりを貫けて満足でしょうが、ファンとの間で温度差を感じることもありますよ」
両者の間に温度差があるというのは、実際にライブに行ったことがある人には理解できる感覚なのではないか?
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■アンコールがないと機嫌が悪くなるかもしれない県民は…
また、都道府県別の調査の結果、アンコールがないと満足できない人が多い地域がわかった。北海道民と兵庫県民では、約4割の人が「損した」と思うようなのだ。
一方、広島県民では1割と少数。地方公演に行くアーティストは、知っておくべきデータかもしれない。
(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年12月22日~2015年12月24日
対象:全国20代~60代の男女1,353名