父はAV監督である【溜池ゴローの子育てコラム】
トップAV監督・溜池ゴロー氏。ご自身の息子さんには、親の職業を、段階をふまえながら少しずつ伝えているそうです。
■親の職業について
ワシの職業は、 AV監督である……つまりワシの息子にとって、「父の職業」は、「AV監督」……ということだ。
自分の職業を自分の子供にどう伝えるかということは、AV業界で働く多くの人間にとっては、けっこう頭を悩ます問題らしい。
ワシ以外のAV監督さんだけでなく、現場で仕事を共にするスタッフや、とくにAV男優さんなど……皆、子供に自分の職業をどう言うか迷っている人間も多い。
なかには子供に自分の職業を隠している人もいる。
気持ちはわかる。 いくら「職業に貴賎無し」といえども、そして多くの方々がAVを好んで観てらっしゃるとしても、やはり世間では、AV自体は社会悪として識別され、表には出てはいけない悪いものとして扱われる。
それは当たり前のことである。 人間の前頭前野は18歳くらいまで成長を続ける。その成長過程で性的にあまりにも刺激の強いものを見ることは良くないに決まっている。
だからAVやポルノは18禁なのだ。子供に見せては絶対にいけない。
子供に見せてはいけないものは表に出さないほうがいい。なので、自分の職業がAV業界に関係あることだというのを子供に隠したくなる気持ちは普通にわかる。
しかし、ワシは、息子に自分の職業のことを隠してはいない。現在11歳の息子は、AVという言葉をすでにどこかで耳にしたことくらいは、あるだろうと推測できる。
だが、まだAV自体のことを100%は分かっていないだろうし、ワシから説明したことはない。
ただ、ワシは自分の職業のことを 「お前が18歳以上にならないと見てはいけないビデオを撮っている監督だ」 と、息子が5歳くらいの頃から伝えている。
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■息子と友人の会話
息子が小学校1年生か2年生のとき、当時息子が通っていたスイミングスクールで、こんなことがあった……それは、息子の練習が終わり、ワシと息子がスイミングスクールと駅との往復送迎バスに乗ったときのことだ。
満員の送迎バスの中で、ワシと息子は並んで座り、息子は、前の座席のお友達と楽しく会話をしていた。途中、お友達が
「お父さんの仕事はなんなの?」
と聞いてきた。そのときの息子とお友達の会話は以下の通りである。
息子「オレの父さんは、監督だよ」
お友達「え?! 監督って、映画とかの?」
息子「オレらがまだ見ちゃいけないビデオを撮ってる監督なんだよ」
お友達「オレらが見ちゃいけないって?」
そして、息子は、友達の耳に口元を近づけ……
息子「エッチなのとか」
……と言った。しかし、本人は相手だけに聞こえるようにコッソリと言ったつもりだが、周囲の母親たちにも思いっきり聞こえていた(笑)
その瞬間、周囲の母親連中が振り返りたくとも振り返れないウズウズした雰囲気が伝わってきた……ワシにはバス中の母親たちの頭に「あの子のお父さんって、AV監督なんだあ」という吹き出しが見えたもんである。
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■いつか息子も大人に
やがては息子もAVというモノの存在を知ることになるだろう。
様子を見ながらだが、ワシは、息子が中学生になり理解力ができたと判断したら、ワシの職業のこと、ワシら夫婦が出逢い、結婚し、息子ができるまでの人生のなりゆきなど、すべてをしっかり説明してやろうと思っている。
ワシは、そんなことで息子がグレたり、イジメられたりするとは、思わないし、そんな人間に育てるつもりもない。
もし、息子がワシの職業を軽蔑し、「オレは絶対にそんな最低な職業にはつかないぞ」と思ったら、それはそれで良しとするつもりだ。ワシから息子へ与える愛情と時間とお金は、「無償の愛」だと思っている。
見返りなどは一切期待もしていない。たとえ、息子がワシのことを軽蔑することになろうとも、息子が将来「大きな器の男」になれば、すべてはOKである。
ただし、昔AV女優だったワシの妻・まり子(つまり、息子にとっては自分の母親だが)のことを息子が軽蔑することだけは、絶対に許しはしないつもりだ。 ということで、今回は以上。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)