プロ野球審判のコンピューター化に賛成?誤審の歴史から検証

2016/01/16 16:00


©iStock.com/ pancho6
©iStock.com/ pancho6

昨シーズン、アメリカの独立リーグに所属するサンラファエル・パシフィックスの試合で、ストライク・ボールの判定をコンピューターに任せる試合が行われた。

これは投手の球道を追尾することの出来るシステム「PITCHf/x」を使用したもので、球場内に設置されたビデオから送られてくる映像を解析し、人間がPC上で確認し判定。それをグラウンドにいる選手に伝達する。

「PITCHf/x」はメジャリーグの球場にはすべて装備されており、将来的に審判員がグラウンドから消え、ビデオとコンピューターが判定することになる可能性がある。


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■プロ野球の審判員をすべてビデオ判定にすべきだと思う?

実際のところ、プロ野球ファンは審判のビデオ化についてどのように感じているのだろうか。しらべぇ編集部が全国のプロ野球ファンに「審判員を全てビデオにするべきか否か」聞いてみた。

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結果、「すべき」と答えた人は僅か34.1%で、65.9%が「すべきでない」と回答。大方のプロ野球ファンは審判員のビデオ化に否定的であることがわかった。


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■若者ほど賛成している

審判を全てビデオ化すべきと答えた人を世代別に見てみると…

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20代、30代に賛成派が多く、年齢を重ねるにつれ減少していることがわかる。年齢を重ねるほど、「誤審もプロ野球の醍醐味」と考える人が多いのかも。


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 ■過去の誤審を振り返ってみると

では過去にどのような「誤審」があったのだろう。主なものを振り返ってみよう。


① 1978年日本シリーズ第7戦 ヤクルトスワローズ対阪急ブレーブス

6回裏、大杉勝男の打球がレフトポール際に飛び込み、線審がホームランの判定。しかし、ファールと主張した阪急上田監督が猛抗議。選手をベンチに引き上げさせ、1時間19分抗議。戦意を削がれた阪急は敗戦。


②2006年WBC 日本対アメリカ

同点で迎えた8回表、西岡を三塁に置いて岩村がレフトに犠牲フライを打ち上げた。タッチアップから三塁走者がホームインし勝ち越したが、三塁塁審のボブ・デービッドソンが捕球する前に走者がスタートを切ったとしてアウトと判定。結局日本は敗戦。


③1990年開幕戦 巨人対ヤクルト

3-1でヤクルトリードで迎えた8回裏、ランナーを1塁で篠塚がライトポール際に打球を放つ。ビデオではっきりとファールとわかる打球であったが、審判4人制初年度だったこともあり、ホームランと判定。その後、球場のポールが白から黄色に塗りかえられた。


④2015年9月12日 阪神対広島

12回表に広島田中広輔がセンターのスタンド内側にあるネットに当たるホームラン。しかし、ボールがグラウンドに跳ね返って来たためインプレー判定となり、ビデオ確認の末、ツーベースに。結局試合は引き分けたが、後に審判団が誤審を認め謝罪。この引き分けが響き、広島はCS出場を逃した。


いずれも当時「世紀の大誤審」と言われ、試合やシーズンの結果に大きな影響を与えた。そのたびにビデオ判定を望む声が挙がるが、現在のところホームランを巡る判定のみの採用となっている。

判定を全てビデオとコンピューターに判定を委ねれば、誤審は防げると思われるが、今回の調査を見る限り「誤審も野球」という考えが根強いようだ。

(文/しらべえ編集部・佐藤 俊治

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【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年12月20日~2015年12月24日
対象:全国20代~60代のプロ野球ファン449名

プロ野球審判調査
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