【衝撃グルメ実験】「味の素」だけでラーメンを作ると激ウマ
日本人の国民食である『ラーメン』。最近はミシュランで一つ星を獲る店も出てくるほど、世界的に認められる味のラーメンを出すところも多くなってきた。
そんなこだわりのラーメン店でよく聞く単語が「無化調」。うま味調味料を一切使用していないということである。
うま味調味料についてはグルメ漫画『美味しんぼ』でも登場人物が「舌がしびれる」などこき下ろしており、正直なところあまり良くないイメージもある。だが、果たして本当に悪なのだろうか?
味の素のサイト『 ラーメン オレの味を探せ!』では、ラーメン界伝説の人物・『大勝軒』創業者でありつけ麺考案者の山岸一雄氏や、人気ラーメン店『くじら軒』や『なんつっ亭』の店主が、口をそろえて味の素を絶賛している。
いくら企業のサイトとはいえ、ここまでラーメン界で名の通った人物が自分の意見無しに味の素を褒めるのか疑問である。じつは味の素を入れたラーメンのほうがうまいんじゃないの?
その疑いを晴らすべく、今回は調味料をすべて味の素にし、自家製ラーメンを作ってみることにした。もし味の素だけで絶品のラーメンが作れるならば、ラーメン業界を揺るがす歴史的な発見になるはずだ。
まずは卵を茹で、冷やしてから味の素を溶かした水に入れ『味の素味玉』を作る。普通は醤油などのタレで味付けをするが、味の素100%ラーメンにはほかの調味料は一切使ってはならない。
次にチャーシューも味の素だけで煮込み、味の素だけのタレで味付けをして『味の素チャーシュー』を作る。豚肉に含まれるうま味のイノシン酸と味の素のグルタミン酸は相乗効果でさらに美味しさが増すため、味は期待できそうだ。
両方を一晩寝かせたら、味の素だけのスープを作り、麺を茹でて味の素チャーシューと味の素味玉、ネギと海苔をのせて『味の素100%ラーメン』の出来上がり! 果たしてお味は…。
スープを一口。うん、完全に味の素ですね。味の素味以外の何物でもない。お次に麺をズルズルとすすると…! い、意外とウンメェェェェ!
ほのかに加わる味の素チャーシューの豚脂のうま味と味の素の美味しさをダブルで感じると、立派にラーメンになっているじゃないっすか!
プロの料理人は「塩だけですまし汁を作れる」というが、チャーシューなどほかの具が入っていれば、味の素だけでも十分にラーメンは成立することが判明した。
これにメンマを入れてコショウでも振ったら、味の素だけで作ったとは分からないのではないだろうか?
おそらくグルメ漫画で「舌がしびれる」といった表現を使用しているのは、味の素だからではなく、単純に使いすぎなのだと思われる。醤油だろうが塩だろうが、過剰に入れればどの調味料も舌がしびれるもの。要は量の問題なのである。
無化調でもうま味調味料を使っていても、さまざまな調味料をバランス良く配合して絶妙な一杯に仕上げている店こそ、「腕のいいラーメン屋」だと実感した今回の実験であった。
え、味の素ラーメンが美味しくなさそうだって? ウソだと思ったら試してみてください(正麺のCM風)。
(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)