看板の無いとんこつラーメン店『愚直』がウマすぎた
美味しそうな料理を載せたり、面白い店名を描いた「看板」は、お店に客を呼ぶための重要なアイテムのひとつである。
だが、そんな客寄せ道具の看板が無いのに、連日行列ができているとんこつラーメン店が東京・板橋区にあるという。
むむっ、これはとんこつラーメンマニアとしては行かなければなるまい! ということでお昼過ぎにその場所へ行ってみたところ、確かに看板が無いのに行列ができてるー!
さっそく列に並び待つこと数分、入り口の前へ行くとメニューが見えた。そこには大きく『愚直』と書かれており、こちらが店名のようだ。
お店へ入り、『とんこつラーメン』(650円)と『味玉』(100円)、『替え玉』(100円)の食券を購入。店内は嫌なとんこつ臭が一切せず、味も期待できそうだ。
そしてお待ちかねのラーメンがキター! スープを一口飲むと!! と、とんでもなく美味いラーメンじゃないか…。
「な、なんだこの複雑なうま味は!?」と思わず言ってしまいそうになるぐらい、さまざまな味が重なったクリーミーなスープ。そして麺は何も言わずとも絶妙に食感を残した、のど越しも歯切れも最高なもの。
いや、とくにスープは本当にスゴい。とんこつの臭みを一切出さずにここまでとろみと旨味のあるスープは、おそらくいままで体験したことがない。
よく「ポタージュみたい」と表現されるが、ポタージュと言ってしまうのが失礼なレベルじゃないか。
柔らかくて太いメンマも美味しいし、チャーシューはローストポークのようなスパイスの効いたものと、王道の焼豚2種類が入っており、具に関しても文句の付けどころが無い。
無我夢中で食べ終わったあとに浮かんだイメージとしては「外国人が好む店が出すラーメン」のように斬新さと技術を見せつつ、店名のとおり愚直さもバリバリ感じる、ストロングスタイルなとんこつラーメンを出す店であった。
最近はミシュランでラーメン店が一つ星を獲ったことが話題となったが、おそらくここ『愚直』も、一度外国人が目を付けたら大行列になりそうなお店だと思う。
もちろん日本人でも最高に美味しいと感じるお店なので、ラーメンファンはぜひ行ってみよう。
【愚直】
住所:東京都板橋区大谷口北町12-7
(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)