1匹から片手ぶんだけ?手袋素材の最高峰「ペッカリー」ってどんな生き物?
2016/02/02 18:00
こんにちは、鍋のシメは雑炊でもうどんでもなく中華麺派のスタイリスト久保田(フランソワ)です。
まだまだ寒いこの季節のマストアイテムといえば手袋ですが、オンオフどちらの服装でも使える万能選手といえばやはり「革手袋」。
耐久性、値段ともニット手袋より上位に位置しますが、革の素材によってもさらに細かくランクが分かれているんです。たとえば、ラム(羊革)グローブはしなやかで使うほど手に馴染んできます。
革は使い込むと伸びるので、迷ったら小さめサイズを選ぶ方が良いでしょう。
画像をもっと見る
■小さい動物の革は柔らかい!
手袋の素材として多く使われるのが、羊(シープ・ラム)や山羊(ゴート)、鹿(ディア)あたりでしょう。一般的に動物の革はその動物の大きさに比例して厚く、硬く、強くなります。
そのため、豚、羊、山羊、鹿革などは薄くて柔らかく、手袋や衣服に向いています。対して馬、牛は厚くて丈夫な革なので、カバンや靴に向いています。
ちなみに値段はピンキリですが、革手袋なら1万円台くらいの物がお手頃かつ見た目もそれなりにちゃんとしていると思います。
合成皮革であれば1,000円台で買える物もありますが、パッと見の印象が本革には敵いませんので大人の服装やビシっとしたスーツに合わせるのであればあまりオススメはできません。
関連記事:『釜飯』を一度も食べたことがないアメリカ人が試食!結果は…
■中でも高級といわれる動物が…
手袋用革素材として高級品のひとつに数えられるのが「ペッカリー革」です。
ペッカリーとは主に南アメリカに生息するイノシシのようなブタのような動物で、その革はとてもしなやかかつ程よい厚みと耐久性があり、まさに手袋にうってつけ。
一生モノのアイテムとして使える、最高の手袋が作れるのです。ペッカリーの革手袋ならだいたい5万円前後。安くても2〜3万円はします。
防寒具でありながらコーディネートのアクセントにもなり、さらには冬場のドアにつきものの静電気対策にもなる革手袋。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
関連記事:LA発!オシャレだと思って取り入れたけど「実は日本には不向きだった」4つのもの
■ペッカリー手袋の中でもさらに最高級品とは?
そんな高級ペッカリー手袋の中でも、さらに「幻の最高級品」ともいうべきものがあります。実はそれは「両掌に1つずつ穴の開いた手袋」なんです。
ペッカリー革の中でもお尻の部分は、とくにしっかりした厚みがあり丈夫と言われています。馬革なら「コードバン」と呼ばれる高級部位ですね。
で、そのペッカリー革のお尻部分には尻尾の痕が小さい穴として残っているんですが、両手ともペッカリーのお尻部分の革で作った証として、あえてその尻尾痕を残したまま製品に仕上げた手袋があるんです。
つまり、片手に1匹。両手で2匹分のペッカリー革を贅沢使いした手袋になるわけです。
もし持っている方がいたら、それは不良品や虫食い穴ではありませんので、ぜひとも大事に使ってあげて欲しいですね。
(文/久保田フランソワ)