イスラム教徒もコスプレしたい!インドネシア現地イベに潜入

2016/02/15 18:00

インドネシアのサブカルチャー

インドネシアの若者は、日本が大好きだ。いや、日本が大好きな若者がたくさんいると言ったほうがより正確かもしれない。

その理由はすばりサブカルチャー。誰もが楽しめる魅力的なサブカルコンテンツを配信している日本を、彼らは素直に尊敬しているようだ。

インドネシアの大都市では頻繁に日系サブカルイベントが開催されていて、インドネシアの若者には、コスプレ好きも多い。


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■意外にも? アニメに寛容なイスラム教徒

インドネシアのサブカルチャー

この話を日本人の人にする度に、必ず「イスラム教徒がコスプレしてもいいの!?」と聞き返されるが、結論から言えばまったく問題ない。

もちろん過度な露出のコスプレはイスラム教徒の彼らにとってまずいかもしれないが(とくに女性)、もともとインドネシアのイスラム教徒は穏健的な考えの人がほとんど。

それに加え、冷戦時代には西側に属していたため、日本やアメリカの娯楽文化が大量に流入している。だからこそ、ISのような暴力主義の組織に対しては共感ではなく怒りを示すのだ。

「どこかの国の大統領候補者みたいに、イスラム教徒が全員ISの支持者と考えるのは偏見以外の何ものでもないね」


コスプレをしている若者のひとりはそう語る。


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■日系企業主催のイベント

個々人の同人的な楽しみ方だけでなく、企業も日本のサブカルチャーに大きな注目を寄せている。

インドネシアのサブカルチャー

たとえば、現地時間2月1日現在、ジャカルタ市内のマトマラン地区にある大型書店『グラメディア』において開催されているイベント『MangaMon cafe』。

このイベントを主催するのは、電子書籍事業で知られるイーブックイニシアティブジャパン。事業のインドネシア進出に伴い、現地でサブカルイベントを計画したという経緯だ。

インドネシアのサブカルチャー

店内の写真を見ても分かるが、ここはまるで秋葉原のメイドカフェのよう。思い思いに着飾ったコスプレイヤーに、撮影をせがむカメラ小僧。日本の景色を切り取ってそのままジャカルタに持ってきた感じだ。

インドネシアは世界最多のイスラム人口を有する国だが、そんなイメージはここに来た瞬間に覆ってしまうのではないだろうか?


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■巨大市場インドネシア

インドネシアのサブカルチャー

イーブックイニシアティブジャパンが現地で提供する電子書店『Mangamon』は、インドネシアの経済発展の現れでもある。

年々少しずつ増える市民の可処分所得は、あらゆる分野に振り分けられる。当たり前だが、人間食うや食わずの状態では趣味に打ち込もうとはしない。生活に余裕があるからこそ、趣味に精を出せるのだ。

その上、インドネシアは去年の中頃から急速にスマートフォンが普及した。もちろんスマホ自体は何年も前から存在するのだが、それが低所得者層にも広がったという意味合いは非常に大きい。

そこへ『Mangamon』というものが登場し、言語ローカライズされた日本の漫画を配信する事業を始めた。インドネシアのサブカル産業は、これらのきっかけで市場キャパシティーが急拡大したのだ。

上記の『MangaMon cafe』は2月22日までの期間限定開催だが、ここで撒かれた種は今後さらなる開花を見せると予想されている。

(文・取材/しらべぇ編集部・澤田真一

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