引っ越す?引きこもる?今や花粉症は東京の風土病か
本格的な春の足音が近づくにつれ、空中を飛散し始めるのが「花粉」。花粉症の傾向がある人にはつらい季節の到来である。
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■花粉症率、ほぼ3割
ところが花粉症は、根治が難しいという。アレルギー体質そのものの改善を目的とする新薬の開発も進んでいるというが、現状ではアレルギー症状の緩和に有効とされる抗ヒスタミン剤を処方してもらうなど、対症療法が主流だ。
とはいえ花粉を飛ばす植物の側にしてみれば子孫を増やすために欠かせない営み。「悪者扱いしないでほしい」といったところであろうが、人間にしてみるとつらいものはつらい。
代表的な「スギ花粉症」をはじめとする有病率が2008年で29.8%というデータ(厚生労働省資料より)もあるから、悩んでいる人も少なくはなさそうだ。
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■首都圏で高い花粉症率
しらべぇ編集部の調査でも「私は花粉症だ」という人は全国平均で32.2%。先のデータが示す数字に近い。
都道府県別で4割を超えているのは、東京都(42.3%)と神奈川県(41.3%)。埼玉県も39.8%と高く、首都圏で目立つ。
ところが同じ首都圏でも千葉県では、25.0%と3都県を大きく下回り、全国平均よりも低い。理由の一つには、花粉の主な供給源とされる関東山地から最も遠いということがありそうだ。なお北海道は極端に数値が小さく、8.8%にとどまった。
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■「転地」「療養」で改善?
さらに調査を進めてみると、年収が1000万円以上の高所得者層で花粉症率が51.2%に達する一方、年収がハッキリしない「お金と無縁な層」では21.4%と、数値が半分以下になる。職業別で仕事がハッキリしない「社会と無縁な層」では、14.8%ともっと低い。
どうやら劇的に花粉症の悩みを改善しようとするなら、症状を訴える人が少ない北海道へ移住してしまうのがよさそうだ。首都圏なら千葉県も期待できる。あるいは、もはや社会や経済と縁を切って引きこもってしまえばよいということにもなりそう。
いずれも長期的には使えない「奥の手」だが、つらいときには一時的な「転地」「療養」でしのいでみるのも一案である。
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■花粉のピークはこれから
日本気象協会によると、スギ・ヒノキ花粉の飛散数が最も多くなるのは、東京・大阪・名古屋などで3月上旬から中旬。福岡では2月下旬から3月上旬と一足早く、金沢や仙台では3月中旬から下旬だ。
(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2016年1月22日~2016年1月25日 対象:全国20代~60代の男女1,340名