『のだめ』が読み切りで復活!現役音大生が名シーンをおさらい
クラシック音楽漫画『のだめカンタービレ』は、ふたりの音大生が演奏家として、人間として成長していく物語。軽快なギャグのおもしろさも相まって大ブームとなり、実写化・アニメ化もされた。
そんな『のだめ』が本日2月25日発売の講談社『Kiss』4月号にて復活、新作読み切りが掲載される。そこで、現役音大生である記者が、おさらいしておくべき名シーンを3つ紹介しよう。
①ふたりの出会いは『悲愴』
指揮者を目指すも飛行機恐怖症のため留学できない千秋は、音大での日々に飽き飽きしていた。ある日、廊下で耳にした個性的な『悲愴(ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番」)』に引き込まれる(単行本第1巻)。
この演奏者がのだめ。千秋は自室の隣人がその個性派ピアニストであることに気づくも、あまりの汚部屋ぶりに大掃除を始める。取っ付きにくい孤高の存在だった千秋の「尽くす」一面が開花した瞬間だ。
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②師弟共演・渾身の『ラフ2』
大学理事長の計らいにより電撃来日した世界的指揮者シュトレーゼマン。千秋はスケベな巨匠の無茶振りに応えるうち、指揮者としての音楽性と、愛嬌を引き出される(単行本第4巻)。
シュトレーゼマンの命令により、千秋は巨匠指揮の元でラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』(「ラフ2」)のソリストに挑む。今回の新作では、同じラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』がテーマとのこと。この場面は絶対におさらいしておきたい。
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③もうひとつの師弟共演『ショパン1番』
巨匠から「今のままじゃ千秋とはいっしょにいれないね(=実力が低い)」と厳しい言葉を投げかけられたのだめ。しかし「ラフ2」に感化され、それから奮起し千秋と共にフランス留学を果たす。
ところが渡仏から約2年、若手ピアニスト・孫Ruiと千秋の共演を聴き、のだめはなかなか届かない千秋の背中に悔しさをにじませ、投げやりになる(単行本第21巻)。
音楽と真剣に向き合うようになったのだめを見たシュトレーゼマンは、自分と共演しようと誘う。曲はショパンの『ピアノ協奏曲第1番』。突然世界一流の舞台に登り強烈な演奏をしたのだめは、大注目を浴びるも失踪。
今度は千秋がのだめに追いつけなくて…。ここでの千秋の葛藤が物語をハッピーエンドに導く。「ラフ2」と併せて、外せないエピソードだ。
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■音楽家同士の恋愛って本当にあるの?
全体はギャグ漫画のスタイルながら、全編通して千秋とのだめのラブストーリーが貫かれる『のだめ』。音楽家の某氏に聞いたところ、音楽家同士の恋愛は「実際にある」という。
のだめのように奔放な天才は稀有とのことだが、そこはそれ、ふたりの「その後」が楽しみだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・原田真帆)