議席配分法だけじゃない この世を作るいろんな「アダムス方式」
議席配分法に限らず、人類の歴史を紐解くとアダムス式と呼ばれるものだらけである。
次回の国政選挙から「アダムス方式」または「アダムス式」が導入されるという。これは議席配分法の種類で、第6代アメリカ大統領のジョン・クインシー・アダムスが提唱したとされている。
だが今回の記事は、このアダムス式の説明ではない。世界は「アダムス式」という名称に満ちている、という話をしよう。議席配分法に限らず、人類の歴史を紐解くとアダムス式と呼ばれるものだらけである。
①アダムス式台車
機関車には先台車と呼ばれる部分がある。これは機関車の最前列につけられる、動力のない車輪である。
この先台車は、機関車全体がカーブを曲がる上で重要な役割を果たす。カーブでは横圧がかかるため、それを上手く受け止めないと脱線してしまうのだ。要は自動車のサスペンションのような機能を担っているわけである。
先台車の機構方式の中で、「アダムス式」と呼ばれるものがある。これは台車が横方向にずれるというもので、復元にはバネの力をを用いる。発明者はウィリアム・アダムスという人物。
このアダムス台車は、我が国が初めて海外から輸入した機関車にも採用されていた。
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②アダムス式腕十字固め
関節技の腕十字固めには様々な方法があるが、その中の一つにアダムス式がある。これはモスクワ、ロサンゼルスオリンピックで銀メダルを獲得した柔道家ニール・アダムスが開発したものだ。
組み技競技で、相手に背を向けその場にうずくまるような体勢になることを「亀になる」という。その亀になった受け手に背後から組み付き、十字固めに移行するにはいくつかパターンがある。
アダムスはそうした展開からの極めが非常に上手く、後続の選手にも受け継がれるアダムス式を開発してしまったのだ。