大食堂「巨大ソフトクリーム」が名物、岩手・花巻の百貨店「マルカン」6月閉店へ

グルメ

2016/03/07 15:00

(写真は「マルカン百貨店」Webサイトのスクリーンショット)
(写真は「マルカン百貨店」Webサイトのスクリーンショット)

昭和の雰囲気を残す大食堂で提供してきた「巨大ソフトクリーム」が名物の百貨店「マルカン」(岩手県花巻市)が3月6日、今年6月7日で閉店すると発表した。



 

■ 「耐震化」を断念

公式Webサイトによると、同百貨店の設立は1977(昭和52)年。前身店の時代と合わせると、60年以上の歴史を持つという。

近年は、郊外型ショッピングセンターの台頭などを理由に地方都市の百貨店が苦戦を強いられてきた例に漏れず、苦戦が伝えられていた。

ここへ来て、老朽化した店舗の耐震問題も表面化。行政の支援を視野に入れて改修の道を探ってきたが、営業の継続を断念するに至った模様だ。


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■ 名物は「巨大ソフトクリーム」

閉店の報が伝わるとネット上には、地元の人のみならず全国のファンから親しまれてきた老舗百貨店の閉店を惜しむ声があふれた。声の多くから伝わってくるのは、今や珍しくなった「大食堂」と名物「ソフトクリーム」への並々ならぬ思い入れだ。

大食堂が提供してきたソフトクリームは、10段巻きという巨大なもので価格は180円と破格値。割り箸を使って食べるのが「お作法」とされ、ソフトクリームを目当てに来店する人も多かったという。

ソフトクリームのほか、ケチャップ味のスパゲティに乗せたとんかつにサラダを添えたワンプレートメニュー「ナポリかつ」(660円)もファンが多く、名物のひとつに数えられてきた。

併せて、なつかしい食券式のスタイルを守ってきたことや6階から見える街並みの展望もまた、大食堂に古き良き昭和の雰囲気をもたらし、愛され続ける理由だったといえる。


■ 花巻のみならず…

とはいえ、ランチタイムを中心に食券を求めて長蛇の列ができることもあるという大食堂の盛況ぶりをよそに、1階から5階の売り場は精彩を欠いていたようだ。

百貨店には付きものの「デパ地下」すなわち食料品を取り扱う売り場を持たなかったことも弱みのひとつだったかもしれない。

西武旭川店
©photock

最近では、同じく地方都市の百貨店「西武旭川店」(北海道旭川市)が撤退の検討に入ったことも報じられている。人口34万人の旭川でも百貨店が成り立たない状況を考えると、10万人に満たない花巻では「なおさら」といったところだろうか。

去りゆく「街の顔」を惜しむ気持ちの一方で、大手資本による画一化・均質化が進む地方商圏の現状にいま一度、思いを寄せてみたいところである。

(文/しらべぇ編集部・前田昌宏