熱中症や故障の防止に?夏の高校野球へのタイブレーク導入案
最近、野球界は「スピードアップ」を求められている。サッカーやラグビーのように時間制限のない野球は、1試合2時間半から3時間程度を要するため、スピード感にかけるとの批判がある。
対策として現在導入が進んでいるのが、延長戦に入った場合ランナーを置いた状態でイニングを開始するタイブレークだ。すでに世界大会では導入済で、ノーアウト1塁2塁でイニングをスタート。
また、日本の大学、社会人野球の全国大会では1アウト満塁からスタートするかたちで導入済。これはノーアウト1塁2塁で開始した場合、送りバントと敬遠で1アウト満塁になるため、その手間を省いたものだ。
■タイブレーク制を導入すべき?
アマチュア球界ではあたりまえとなっているタイブレーク制だが、高校野球甲子園大会では未導入。しかし、球児の負担を減らす意味で導入を推進する声がある。
ところがタイブレークについては一部から根強い批判があり、話が進んでいない状況。しらべぇ編集部の調査でも、賛成は12.6%にとどまった。
甲子園大会は1人の投手に頼りきるチームが多く、高校時代の酷使がたたり肩や肘を壊しプロを断念せざるをえなくなる投手も少なくない。また、真夏の大会では異常な暑さの中長時間の試合を強いられ、熱中症で倒れるケースも。
そのような酷使から選手を守ることや、大会のスムーズな運営、スピードアップを考えるとやはりタイブレーク制の導入は事態にマッチしているといえるのだが、ファンや関係者からの評判は悪いようだ。
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■双方の意見を聞いてみた
導入賛成派、反対派それぞれに意見を聞いてみると…
<賛成派>
<反対派>
高校野球でも明治神宮野球大会など一部大会ではタイブレークが導入されており、一部では甲子園大会も時間の問題ではないとの声がある。
いずれにしても、猛暑でも否応なく試合をしなければいけないなど、選手の将来に悪影響を及ぼしていることが多い甲子園大会だけに、なんらかの改善があってもいいのではないだろうか。
(取材・文/しらべえ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月20日~2016年2月24日
対象:全国20代~60代の野球ファン460名