人はどんな時に「遺書」を書く?60代男性から不思議な回答も
万引きを疑われた広島県の中学生が、それを苦に自殺してしまったというニュースが話題になっている。
彼は至って真面目な少年だったが、学校側の手違いで「彼は万引きで捕まったことがある」と見なされ、志望高校への推薦入学を取り消された。このような耳を疑うべき不祥事が、我が国で実際に起こっているのだ。
また、亡くなった少年は、遺書を残していたという。
■遺書を書いたことがある人の割合は…
「遺書を書く」ということは、自分の死後を少なからず心配しているということだ。
その動機は自殺以外にも、いつか訪れる自然死や「もしかしたら死ぬかもしれない環境」に移る場合など多岐に渡る。だが共通しているのは、そこに何かしらの覚悟や決心があるから遺書を書く、という点。
そこでしらべぇ編集部では、「遺書を書いたことがあるか?」という調査を実施した。
全国1348人の調査結果によると、「遺書を書いたことがある」と答えた人は全体の6.7%。調査した年代が20代~60代であることを考慮しても、やはりこうした経験をしている人はごく少数である。
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■遺書を書く理由は?
では、遺書を書いた動機について質問してみよう。まず目立つ回答は、「自殺を考えた時」や「辛くなった時」など、自死を窺わせる内容のものだ。中にはなぜ自殺を考えたのかという理由を答えた読者もいた。
あえてすべては書かないが、親からの虐待や学校でのいじめなどがその理由として複数あった。
だが一方で、50代から上の世代の人々は「残務整理」や「夫の公正証書遺言の作成」といった遺産相続に絡む回答が多かった。ある60代男性は、
「口座、パスワード、保険等の個人情報を遺書に記載した」
と、回答。こうしたことは、これから若い世代の間でも広がるのではないか。
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■60代男性の書く遺書
中にはこんな声も。
「冬山登山時に遺書を書いた」
そう答えたのは、60代男性だ。考えてみれば、我が国日本は山岳国。3000メートル級の山々があり、しかも明確な四季がある。冬山登山を趣味にしている人は多い。
さらに、こんな回答もある。
「毎年正月に遺書を書く」
これも60代男性の答え。今回の自由回答調査では、どういうわけかこの世代の男性から興味深い回答が多い。遺書を書く理由もさまざまだということを、この調査で改めて見えてくる。
(文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月19日~2016年2月22日
対象:全国20代~60代の男女1340名