プロが語る「江戸前寿司の大きさがすべて違う理由」がスゴい

提供:ライドオン・エクスプレス

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日本人ならみんな大好き『江戸前寿司』。リーズナブルなお店から超高級店まで、食べられる寿司はさまざまである。

マグロやエビなどネタの品質が違うのもあるが、やはり一番の違いは、その「大きさ」だろう。

箸でつまめないぐらい大きかったり、あまり口をあけなくても食べられるぐらい小さかったりと、店によってその違いはさまざまだ。

だが、いったいなぜ寿司の大きさは一定ではないのだろうか? 黄金比と呼ばれる言葉があるように、大きさにもベストなものがあるんじゃないの?

その疑問を晴らすべく、今回は「リーズナブルな街の寿司屋」、「客単価1万円以上の高級寿司屋」、「回転寿司評論家」、「宅配寿司チェーン社員」のみなさんに、寿司の大きさが違う理由を取材してみた。

 

■街の寿司屋の見解

「うちのような個人経営の寿司屋は、常連さんでも新規のお客さんでも「安くて美味しい店」だと思ってもらわないとダメなんですよ。

 

なので、お寿司は並でも満足できるように大きめに握ります。でもお酒を飲む人が多い店は合うように小さめに握ったりしているので、寿司の大きさの違いについては店の方針だと思いますね。」

 

■高級寿司屋の見解

「寿司の大きさは完全に“オヤジの趣味”です(笑)。でも、お客さんが小さめに握って欲しいと言ったりシャリを大きめにしてほしいと言ったときに断る寿司屋は腕が悪いですね。

 

それなりのお金を頂戴して寿司を提供しているわけですから、これが正しいと思うものを頑なに出すのではなく、お客さんの嗜好で大きさを変えるのはプロとして当然だと思います。」

 

■回転寿司評論家・米川伸生先生の見解

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「一言で言うと江戸前寿司に明確な規定がないからです。

 

戦後はご飯一合で十貫握るという委託加工制度が取らていたため大ぶりな寿司が多く、さらに江戸前寿司の組合に入っていないと寿司店営業ができなかっため、全国の寿司店が江戸前寿司を名乗るようになったという背景があります。

 

地方の寿司店では実際に江戸前寿司の修行などはしておらず、我流のまま、現在に至っている店も少なくありません。

 

一般的に高級江戸前寿司店ではシャリが小さめであり、大衆店では大きめという傾向があります。これはお店や職人の主張が寿司に反映されるからで、それぞれの考え方により寿司のサイズが決まるのです。

 

江戸前寿司のサイズは地域性というよりも店の考え方によって決まるため、バラバラなのです。」

 

■宅配寿司チェーン社員の見解

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「私どもが展開している宅配寿司ブランド『銀のさら』と『すし上等!』でもっとも重要だと考えていることは、“1人前で必ず満足していただく”ということです。

 

お寿司屋さんなら足りなければまた頼めばいいだけですが宅配寿司は再度頼むことができないので、足りないと思われてしまったらそこで負けなんです(笑)。

 

そのためシャリは1貫21グラムとかなり大きめに作り、ネタもボリュームが出るように切っています。そのため1人前10貫の盛り込みでもシャリだけで210グラムあるため、一般的な回転寿司と比べてかなりお腹いっぱいになるよう工夫しています。

 

ですのでほかのお寿司屋さんと比べると特殊かもしれませんが、お客様に一度で必ずご満足いただける寿司の大きさと価格にすることを考えた結果、この大きさにたどり着きました。」

 

以上がプロの方々の見解である。

結局のところ寿司の大きさに関しては、店それぞれが「自分たちの客に合った大きさ」に工夫をしているということだろうか。

また、とくに面白いと思ったのが『すし上等!』と『銀のさら』を展開しているライドオン・エクスプレスの社員の方々のお話だ。

 

■新ブランド『すし上等!』で大成功!

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ブランド『銀のさら』を全国展開しているにもかかわらず、2015年末に宅配寿司の新ブランド『すし上等!』をオープン。3月末で150店舗以上に達するという大成功を収めている方たちだが、成功した秘訣こそ「寿司の大きさ」にあると感じた。

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すし上等!』はメニューを見てももっともリーズナブルな「並」で9貫800円、本マグロの中トロやイクラなどの上ネタが入った一番高級な「ウルトラ特上」でも1,200円と宅配寿司としては信じられないぐらい激安価格。

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■銀のさらと同一設備でコスト削減

しかし銀のさらと同じ厨房や設備を使いコストの削減を図り、シャリの大きさやネタの質は銀のさらと同じ良い物を使用。切り方はボリュームを見せるために工夫をすることで、いままで宅配寿司は高級だと感じていた若い家庭の利用者を急増させることに成功したのだという。

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また、すし上等!ではまだ生魚を食べられない小さなお子さんのいる夫婦のために生物を使っていない『プチベイビー』や、同社が展開している釜飯のブランド『釜寅』で使用している美味しいからあげやウインナーの入った『プチおこさまプレート』などを販売。!

「宅配寿司を頼んでみたいけど高い」、「子供が小さすぎて生魚を食べさせられないけど寿司を食べたい」というファミリーに合わせた豊富なメニューを作ったことも、成功した大きなポイントである。

 

■客側の好みに寿司の大きさを合わせられる寿司屋こそ良い

唯一店側の人ではない回転寿司評論家の米川先生も「お店の主張による」とコメントをされていたので、宅配だろうが個人店だろうが回転寿司だろうが、客の好みに店の主張(寿司の大きさ)を合わせられるお店こそ、良い寿司屋だろう。

ファミリーレストランに行っても1人1,000円ちょっとかかるのは当たり前の時代。それと同じか少し安い価格で寿司を運んでくれる『すし上等!』は、これから宅配寿司だけでなく、デリバリー業界に革命を起こすブランドへと成長されることを期待したい!

実際に記者も1,200円の『ウルトラ特上』を頼んでみたが、成人男性でも十分に満足できる味と美味しさだった。いちいち回転寿司に足を運ばなくても美味しい寿司が食べられる時代は、もうすでに来ているのかもしれない。

参考リンク:すし上等!

(文/しらべえ編集部  提供/ライドオン・エクスプレス)

寿司銀のさらすし上等!
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