100歳まで生きたくない人が多数派!?問われる「長寿大国」の行く先

2016/03/16 11:30

©iStock.comNayomiee
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「高齢者の貧困」が、社会問題になっている。

我が国日本は、世界的に見ても高齢化がとくに進んだ国だ。にもかかわらず、出生率は下がる一方である。若者がいないということは社会保障の源泉を担う人材がいないということであり、結果的に低所得層の高齢者を直撃する。

自宅で孤独な最期を迎える人も出ている中、それでも日本人の平均寿命は世界一を維持している。我々の国は、ほかに例のない長寿大国なのだ。



 

■あなたは長生きしたいですか?

老後の不安は誰しもが抱えているはずだが、ここでは経済的な不安は一切ないとしよう。もしあり余るほどの財産があったら、100歳まで生きたいか?

しらべぇ編集部は、全国の老若男女1348名に調査を実施した。

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その結果、「100歳まで生きたい」と答えた人々は全体の23.3%に留まった。逆に言えば、全体の4分の3以上の人々は「そこまで生きたくはない」と考えていることになる。

どうやら、「長寿願望」と経済的事情はあまり関連しないらしい。


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■衰える肉体

加齢がもたらす最大の苦しみは、肉体的衰えだという。今回取材に応じてくれた80代の男性A氏は、

「身体の衰えを嫌でも目の当たりにしてしまうことが一番辛い」


と話す。頭の中はいつまでも変わらないのに、脳の伝達することが身体の隅々に伝わらない。そしてこの先、ますます肉体が動かなくなっていくことが怖いというのがA氏の言葉だ。


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■長寿は幸福か?

こうして見ると、長寿は必ずしも本人に幸せをもたらしてはくれないのではとも感じられる。

しかも上記の質問では、「もし経済的な余裕があれば」という仮定を入れた。それがなければ、「100歳まで生きたい」という人は23.3%よりもさらに下回るだろう。

長寿は不幸せである、と述べるわけではない。だが、人生の幸福の基準は長寿だけではない、というのも確かであるらしい。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一
調qzoo査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年2月19日~2016年2月22日
 
対象:全国20代~60代の男女1340名

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