鼻炎持ちの内科医が語る!「花粉症」軽減におすすめの対策
ようやく暖かくなってきたと思いきや、目はかゆいし鼻がむずむず…。内科医である筆者は、毎年そんな春を過ごしています。
しらべぇ編集部の調査によると、「春は好きだが花粉症に悩んでいる」という人は全国1348人のうち約半数近くにも。
花粉症で、春のうららかさが台なしになっているようです。そのお気持ち、よくわかります。そこで、長年アレルギー性鼻炎で苦しんできた内科医として、花粉症対策を整理してお伝えしましょう。
■花粉症の診断
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)では、特定の植物の花粉が飛散する時期だけ、鼻炎や目のかゆみといった症状が現れます。原因はスギ花粉など、およそ60種類も…。
一方、年中鼻水が出る通年性アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリが原因です。
筆者もそうですが、季節性と通年性を両方持っている方もいることでしょう。どうせなら、『テラフォーマーズ』の膝丸燈のように、有益な特性をあわせ持ちたかったものです。
花粉症の正確な診断は、皮膚反応試験や血液検査などをあわせておこなわれますが、時期と症状から自己診断している方が多い印象ですね。
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■花粉症は墓場までついてくる
現状、アレルギー性鼻炎で治癒するのはたった数パーセント。つまり、ほとんどの場合は発症したら一生付き合っていくしかありません。
新しい治療法として、スギエキスを徐々に体に慣れさせ、完治・症状軽快を目指す免疫療法があります。最低でも数年間、毎日薬を使う必要があるのと、約2割の人で効果がでないのはネックですが、興味があれば医師へ相談してみてください。
また、腫れた鼻粘膜をレーザーで焼いて縮める「下鼻甲介粘膜焼灼(しょうしゃく)術」も、症状軽減に有効です。
空気が通りやすくなることで鼻づまりの改善が得られ、人によっては鼻水やくしゃみも軽減します。効果は永続的ではありませんが、筆者は一度受けたところだいぶ楽になりました。
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■今日からできる花粉症対策
今からでもできる対策としては、以下をおすすめします。
①症状が出る前、あるいは症状がひどくなる前に薬を使う
鼻が完全につまってから内服薬や点鼻薬を使用しても、いまいち効きません。初期段階で症状を抑えつけてしまうのがベスト。
花粉が飛び始める時期がわかっていれば、症状が出る前に薬を飲んでしまうのもありでしょう。「花粉暴露室」というおそろしい設備を使用した検証で、事前投薬の有用性が示唆されています。
なお、症状を持続的に抑えたければ、花粉が飛んでいる期間は薬を使い続けてください。花粉が空気中に存在するかぎり、やめれば再燃します。
抗ヒスタミン薬は、眠気や口の渇きといった副作用がつらいところですが、たまたまその薬が自分に合わないだけかもしれません。あきらめず、他メーカーの薬も試してください。
どうしても病院へ行く時間がない場合は、『アレグラFX』という市販薬がいいでしょう。病院でも普通に処方する薬です。
②花粉に対しては徹底的に塩対応でのぞむ
症状を悪化させないために大切なのは、抗原(花粉)への暴露を減らすこと。
筆者は外出するときマスクを着用し、帰宅したら玄関前で服から花粉を落としますね。家に入ったらすぐに顔や手を洗い、空気清浄機で花粉をトラップします。
また、コンタクトレンズよりは眼鏡、眼鏡よりはゴーグルがいいとも。たしかに眼鏡をしているときのほうが、眼のむずむず感は軽いです。
ゴーグルは最強の防具だと思いますが、身内以外からは塩対応されそうですね…。
(文/しらべぇ編集部・青木マダガスカル)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月19日~2016年2月22日
対象:全国20代~60代の男女1348名(有効回答数)