東京五輪に向け拡がりつつある新しい「おもてなし」とは
東京五輪開催まで5年を切った今、ステッカー運動にとどまらず、日本全国で「おもてなし」の輪が拡がることに期待したい。
都心や観光地ではここ最近、外国人旅行者を目にしない日はない。日本政府観光局の調査によると、2016年1月に日本を訪れた外国人旅行者の数は185万1800人にものぼり、過去2番目の高水準をマークした。
しかし、外国人旅行客の増加は日本経済に良い影響を与える一方で、宿泊先や飲食店、タクシーなどにおける様々なトラブルにもつながっているのだ。
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■飲食店での英語表記が増えている
そんな中、観光地や都心部の一部の飲食店では「英語メニュー」を作成し始める動きも出てきている。
海外留学のEFが行なった調査でも、22%の人が「身近な国際化」を感じる一例として「英語メニュー」を挙げており、ある程度認知されていることがとわかる。
しかし、ほとんどの店舗では英語メニューがあることを表に出していないため、外国人観光客にその思いが届いていないのが現状。そこでこの現状を変えるべく、自治体やボランティアたちがステッカーを配布し始めた。
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■全国に拡がる「英語メニュー」ステッカーの輪
たとえば、奈良県の奈良市中心市街地活性化協議会は昨年の12月より、「英語メニューあります」ステッカーを作成し、奈良市内の飲食店への配布を始めている。
また、東京・渋谷でも留学経験を持つ学生組織「EFアンバサダー」たちが渋谷のセンター街を中心にステッカーを配布し、活動の協力願いを始めている。
この活動は本州だけでなく別の形で北海道にも広まっており、札幌商工会議所では英語・中国語・韓国語で書かれた「外国人観光客フレンドリーステッカー」を作成。
外国人観光客の取り込みに積極的な飲食店の募集を開始し始めている。
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■東京五輪までの「おもてなしの拡大」が急務
このステッカー運動がどこまでの効果をもたらすかは、まだわからない。だが少なくとも、全国各地で外国人観光客を受け入れようという姿勢や環境に変わってきたのは事実だろう。
東京五輪開催まで5年を切った今、ステッカー運動にとどまらず、日本全国で「おもてなし」の輪が拡がることに期待したい。