誰でも手軽に核実験!原爆投下シュミレーター「Nuke Map」

©iStock.com/RomoloTavani
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「核兵器の恐怖」を知っている人は、世界ではむしろ少数派である。

実際に原子爆弾の実験台にされた日本人は例外的で、それ以外の国の人々、とくに学者でも教師でも政治家でもない一般市民は「威力の大きな爆弾」くらいにしか認識していない。

だから、核問題の重大性を世界の人々に伝えるのは大変な困難を伴う。第二次世界大戦に直接関係しなかった国の国民が、「ヒロシマの悲劇」を知らないのは当然だ。我々日本人が、第一次大戦の「ソンムの悲劇」をあまり知らないのと同じである。


 

■我が町に原爆投下

ならば、我々の地元に原子爆弾を落としてしまおう。そう考えた人物がいる。そしてその人物は、『Nuke Map』というものを開発した。これはGoogleマップを使った核実験シュミレーターである。

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(画像はNuke Mapのスクリーンショット)

使い方は簡単だ。爆心地の印を任意の位置に合わせ、爆弾の種類を選ぶ。広島に投下された『リトルボーイ』や長崎の『ファットマン』、ビキニ環礁核実験の『キャッスルブラボー』、史上最強の核兵器『ツァーリ・ボンバ』まである。

あとは「Detonate」というカーソルを押せば、爆弾が炸裂する。爆風の及ぶ距離、放射能の影響、死者数なども算出されるのだ


 

■「死の灰」で極東壊滅

では早速、日本の主要都市に核爆弾を投下してみよう。

まずは新宿駅上空に、長崎型原子爆弾のファットマンを炸裂させる。すると東は新宿二丁目、西は東京都庁までの範囲が完全に壊滅する。

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(画像はNuke Mapのスクリーンショット)

その爆風は学習院女子大学や代々木公園にまで達し、死者数は約12万人。新宿は地図から消えてしまうだろう。

次に、大阪城上空にキャッスルブラボーを投下する。大阪市はおろか大阪府が消滅する上、風が西南西へ向いていた場合、その放射能被害は中国地方、四国、九州、そして韓国の済州島にまで達するのだ。

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※画像はNuke Mapのスクリーンショット

■あの国の核兵器も……

このNuke Mapにあるのは、冷戦時代の米ソの核兵器だけではない。インドやパキスタン、そして北朝鮮が保有しているとみられる兵器もデータ上に揃えている。

仮に北朝鮮が2013年に開発したとされる核爆弾を、名古屋駅上空で爆発させてみよう。この兵器の威力は推定10キロトン、広島型原爆リトルボーイのそれよりは下回るとされている。

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(画像はNuke Mapのスクリーンショット)

だがそれでも、名古屋市中心部を焦土にするには充分な威力だ。名古屋駅は跡形もなくなり、名古屋市役所周辺、丸の内、伏見なども壊滅的な打撃を受ける。死者数は約4万8,000人だ。

「手軽な核実験」を可能にするこの恐るべきシュミレーターは、我々に核の脅威を教えてくれる。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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