ゴミがお金になる病院 世界から注目される26歳の医師とは

2016/03/25 05:30


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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

我が国には国家が提供する医療保険がある。もし、これが完全になくなってしまったら、我々の生活はどうなるだろうか?

医療保険がないということは、ちょっとした風邪の診察でも高額の費用を請求されるということだ。だから、新興国や最貧国の一般市民は病院など滅多に行かない。

中には医者の代わりに魔術師を呼んで、悪い空気を祓ってもらうという風習の地方もあるくらいだ。そこまで原始的でなくても、身体にいいと評判の漢方薬で済ませてしまうことも多い。

それはつまるところ、病院に通うだけの経済力がないからである。


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■1989年生まれの若き医師

インドネシア・ジャワ島東部の都市マラン。この町にはガマル・アルビンサイドという26歳の医師がいる。ガマルは今や世界の有名人であり、イギリスのチャールズ皇太子にバッキンガム宮殿へ招待され、そこで表彰を受けたこともある。

それは彼が自身の経営するクリニックで支払う診察料を「現金ではなくゴミにするという、新しいシステムを開発したからだ。

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ダンボール、缶、瓶、ペットボトル、クズ鉄。要するに換金できるゴミを患者に運ばせているのだ。その対価として、患者はクリニックで診察を受けられる。


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■ゴミであふれる国を救う施策

インドネシアでは、ゴミ問題が深刻になっている。

自分が出したゴミは、その辺に捨ててしまうのがこの国では普通だ。ポイ捨てしたゴミは、そのうち誰かが拾ってくれる。市民は漠然とそう思っているが、実際には誰もそれを回収しない。

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今やインドネシアは、山も海も川もゴミで溢れている。大袈裟な表現ではない。川を埋め尽くすゴミの処理のために、わざわざ陸軍を投入したほどだ。

リサイクルだの分別だのというのは、この国では高等技術である。逆にインドネシアでは、日本が「道にゴミが落ちてない国」として知られているくらいだ。

経済発展国を目指すなら、まずゴミ問題は必ず解決しなければならない。そう考えているのは都市部の自覚的な市民だけで、地方部の貧困層の人々はそうした概念を教育されたことすらない。

だからこそ、「ゴミは金になる」という事実を周知させるべきなのだ。


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■経済成長の過程で

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(画像はYouTubeのスクリーンショット)

先進国には、歴史的な偉業を達成した医師が必ず存在する。

我が国日本の場合は、かつてイタイイタイ病の原因解明と患者の救済に生涯をかけた萩野昇という人物がいた。当時原因不明の風土病とされていたイタイイタイ病のメカニズムを、萩野医師が解明したことにより日本の公害問題は改善の方向に動いた。

ひとつの国が経済成長していく上で、こうした役割を担う医師が現れなければ「成長に伴う問題」は解決しない。インドネシアにも、そのような人物がついに登場したのだ。

取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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