ペットを捨てたことがある…責任感のない飼い主の実態を調査

2016/04/02 08:00

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John Howard/Digital Vision/Thinkstock

3月30日、広島県神石高原町に本部があるNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が、県内で殺処分対象となった犬のすべてを引き取ると発表。

これは、「犬の殺処分ゼロ」に共感した人たちによる「ふるさと納税」が約4億円に達し、実現するに至った。

近年、ペットビジネスの闇が指摘されるようになっているが、同時に飼い主の資格も問われるようになってきている。「かわいいから」を理由に飼い始めたが、大きくなった犬や猫を見て「やっぱり飼い続けるのはムリ」と、捨てる飼い主もいるそうだ。



 

■犬や猫を飼えなくなり捨てた…経験者は1割

しらべぇ編集部がアンケートサイト「マインドソナー」を使って調査してみると、全体でおよそ1割の人が「ペットを捨てた経験がある」と回答した。

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1割程度であるものの、こうした飼い主の無責任さにより苦しむ動物もいる。保健所などで一時的に引き取られたとしても、次の飼い主が見つからない場合、殺処分されてしまうのだ。


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■捨て犬を保護、そして家族に

編集部では、捨てられた犬を今では家族として受け入れ、共に暮らしている40代の女性に話を聞くことに。動物愛護団体に行ったときの様子について語ってくれた。

「もともと犬が好きで、今度飼うときはペットショップではなく里親募集などで引き取ろうと決めていました。サイトで見ていて『この子がいいな』というのを考えていたのですが、いざ行ってみると胸が苦しくなりましたね。


何匹もいるワンちゃんを見たときに、1匹だけに絞れないんです。残ったほかの子の未来を考えると、できればみんなまとめて飼ってあげたいという気持ちになります。


最初に無責任な飼い主の手に渡ってしまったがゆえに、こんなことになっているんですよね。動物は飼い主を選べないのにと思うと、憤りさえ覚えました。同時に自分の無力さも感じて…。今は、引き取った1匹のワンちゃんを大事に育てています」


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■杉本彩が語る「ペットビジネスの闇」

女優の杉本彩は、芸能界で活躍しながら2014年の2月に一般財団法人動物環境・福祉協会Evaを設立し、理事長を務めている。

動物愛護の普及啓発活動を行ない、動物たちを取り巻く悲惨な現状を伝えることに尽力しているのだ。

彼女は著書『それもで命を買いますか?』(ワニブックス)の中で、ペットビジネスの闇を次のように伝えている。

「ショップにとって、もっとも歓迎すべき売れ方は、通りがかったお客さんの衝動買いです。そしてその衝動買いを誘発させる最強の奥義が『抱っこ』なのです。


〜中略〜


この安易な衝動買いが、動物たちを苦しめる大きな原因になっているという看過できない現実があるのです」(107ページより引用)


また杉本は、ペットを飼う人に対してもこのように訴えかけている。

「動物をペットとして迎える際、飼い主に何より求められるのが『終生飼養』、動物が亡くなるまで面倒を見るということです。


終生飼養ができる環境があるか、飼い主にその覚悟があるか。その動物を飼うという行為が自分の年齢や体力、経済状況に見合っているか。それを真っ先に考えるのは至極当然のことであり、動物を飼う者が負う最低限の責任です」(107〜108ページより引用)


ペットを大事に飼えるのかどうか。飼い主はペットを家族に迎え入れる際、こうしたことを考えてみてほしい。


参考:『それでも命を買いますか?』(杉本彩著)

(取材・文/しらべぇ編集部・chan-rie

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