駅弁は高すぎ!3駅が競う「かしわめし」は安ウマの注目株
鉄道の旅につきものとされてきた駅弁。食堂車と並び、車内の食事には欠かせない存在だった。
食堂車がほぼ姿を消した現在も、駅弁は健在。とはいえコンビニの台頭や「駅ナカ」の充実で、かつての勢いを失っているようだ。
手軽に買えるさまざまな「食」に比べ、駅弁はおしなべて「高い」という事情もある。
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■「高すぎる」3人に2人
アンケートサイト「マインドソナー」を用いての調査によると、「駅弁は高すぎる」という人の割合は約67%。年代別では、30代・40代で価格に不満を感じている人が多いようだ。
最近の駅弁は、1,000円超えも当たり前。出張などのビジネスで鉄道を使う機会も多い彼らの「普段使い」には、予算面で少々厳しいところがあるのかもしれない。
ただし「味」には一定の評価もある。同じく「マインドソナー」による調査では、「おいしくない」という人が約19%にとどまった。
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■価格と味の「かしわめし」
数ある駅弁でロングセラーを誇る商品の中には、価格と味のバランスに優れたものを見つけることもできる。
いわゆる「コスパ」の高さで知られる商品の一つが、鳥栖駅(佐賀県)の駅弁業社「中央軒」が売り出している「かしわめし」。価格は700円で、1913(大正2)年・発売当初のパッケージを再現した「復刻版」(写真)は720円だ。
両者の違いは、樹脂製の容器が復刻版では「経木の折」(木製)になること。独特の香りがなつかしい。
中身はいずれも「鶏肉(かしわ)の甘辛煮」「錦糸卵」「刻みノリ」が乗ったしょうゆ味のご飯で同じ。甘辛煮は細かく刻んである。しょうゆご飯には鶏のだしが利いていた。
価格の割にはボリュームも大。車内での一食には十分だろう。
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■3業者による「競作」も
同様の「かしわめし」は、折尾駅(福岡県)の「東筑軒」も売り出している。こちらは「大」「小」があり、大(写真)=770円、小=670円。やはり安い。
中身も「中央軒」と同様だが、「類似性」を指摘するのはやぼというもの。同じく福岡では、小倉駅「北九州駅弁当」社にも「鶏(かしわ)めし」のラインアップが見られる。
新幹線の駅では、博多駅なら3社の「かしわめし」が全てそろう。取り扱いのない日や品薄のタイミングでも、どれかひとつは味わうことができそうだ。
(取材・文/しらべぇ編集部・前田昌宏)