ブラック企業元社員に聞いた「洗脳OJT」がヤバすぎ

2016/04/13 07:00

Photodisc/iStock/Thinkstock
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近年、企業で行われる新人社員研修が過酷なものになってきているという。

5日に放送された「あさチャン」(TBS)では複数の企業が合同で行なった研修に密着。その際、教育係の男性が「皆さんの会社は採用ミス」という言葉を発し、大きな波紋を呼んだ。

「洗脳だ」「社畜製造合宿かよ!」などの声も少なくないが、「社員研修は3日程度。ブラック企業ではその後も洗脳は続く」と語るのは、自身もブラック企業OBである男性Y氏(20代・男性)

彼いわく「入社後、3カ月~12カ月程度行われるOJT(実際に業務をこなしながら行う研修のこと)のほうがダメージがくる」そうだ。取材班は「洗脳OJTで用いられる5つの方法」を聞いた。



 

①毎日、自分のミスをエクセルで管理して自己批判

「私の会社ではエクセルにその日行ったミスを新卒に記入させていました。よくある報告書なんかとは違い、時系列や原因などもみっちり書き込む感じです。毎日更新していくのでデータはたまっていきます。


内容も『電話対応』『マナー』『周囲への気配り』など、ソートで分類。過去に同じミスをしたことが一目瞭然なので『なんで同じミスを2回もするの!?』と言いやすいんですよね」


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②みんなに聞こえるように怒鳴って、自尊心を徹底的につぶす

「新卒はトレーナーに自分のミスを報告しますが、この時、トレーナーは周りに聞こえるような大声で怒鳴ります。


『お前、入社して何カ月経つと思ってるんだ! もう三カ月だろ? 給料もらってんだよな?』っていう感じで。そうやって新卒を委縮させていくんです。


なお、ミスがなかった時は『まあ、この業務量でミスするわけないよね』って言われ、プレッシャーを与えます」


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③小さなミスした場合でも、新卒でも損害額を計算させる

「ブラック企業は新卒でもフル稼働させます。私が勤めていたところでは、どんな小さなミスでも会社に損害を与えた場合、自分で金額を計算し、報告する必要がありました。


さすがに賠償する必要はなかったけど、入社間もないうちにやることではないんじゃないかなと」


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④あえて脈略なく怒鳴りつけ、心の奥底に恐怖を植え付ける

「部下が上司に恐怖を抱くのは『どんな瞬間に怒るかわからない』と感じた時。表向きは新卒に理不尽にブチ切れることでストレスに強い社員にする、っていうものでしたが、恐怖で支配してるだけだったなと」


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⑤「あなたのために言ってるの」で反抗させないようにする

「毎日理不尽に怒鳴られてると、さすがの新卒も『これはおかしい』『ただイライラの発散でやってるのでは?』と思い始める。そこで上記のセリフを言って、教育だということをわからせる」


■洗脳OJTが研修よりもやっかいな理由

社員研修はみんなで行うものだが、OJTは通常、世話役になった社員にある程度の権限が与えられるもの。それでも、なぜブラック企業では上記のような現象が起こるのだろうか? Y氏に聞くと…

「ブラック企業がブラックであり続ける大きな理由は、長年いる社員は慣れ過ぎて、もはや社風をブラックと感じていないからです。自身が体育会系で理不尽な仕打ちに慣れてるから、感覚がマヒしてるからなど、理由はさまざまでしょう。


その結果、会社が命じていなくても、後輩社員を教育する際に『ブラック感』が出てしまう。そうやって『洗脳OJT』が生まれたんじゃないかと」


一度、真っ黒になってしまったものはなかなか白には戻らないようだ。自分の子供が「会社であやしい研修を受けてきた」と言った場合は、注意して見守ってほしい。

(取材・文/しらべぇ編集部・岡本拓

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