女児にも義務づけ「恥ずかしい検査」ひっそりと姿消す

2016/04/14 17:00

四つんばい
©Pixabay

4月は「始まり」の月である一方、何かしらの「終わり」に気付かされる月でもある。

たとえば小学3年生以下の児童を対象に長らく行われてきた「寄生虫卵検査」の義務づけが、新年度をきっかけにひっそりと廃止になっている。

いわゆる「ぎょう虫検査」のことだ。


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■ぎょう虫検査とは?

「ぎょう虫検査セロファン」画像出典:wikipedia
「ぎょう虫検査セロファン」画像出典:wikipedia

検査そのものは戦前からあったとされるが、当時の文部省(現、文部科学省)が健康診断の検査項目として明確に義務づけたのは1958(昭和33)年。

体内のぎょう虫は、宿主の就寝中に肛門付近へ下りてきて卵を産み付ける。その有無を調べることで、寄生を発見する目的だ。

以来、対象の児童は年に1回以上、学校を通じて配布されるセロハン製「検査キット」の提出を求められることになった。


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■屈辱のポーズで検査を受忍

臀部(でんぶ)
©Pixabay

キットの用い方は、起床後すぐに肛門を中心とするひだ状の部分にセロハンを貼り付けてからはがすというもの。場所が場所だけに手が届きにくく、児童によっては大人の手助けを必要とすることがある。


「下着を脱いで四つんばいになってごらん」

「お尻を突き出してこちらへ向けてごらん」

言いつけられた児童はなすすべもなく身を任せ、屈辱的ともいえるポーズを取り続けるほかない。

下手に動くとセロハンは落ちてしまうし、ともすれば「キュッ」と体内へ吸い込んでしまいそうな心地の悪さを味わうことにもなる。


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■「恥辱度」は女児で高めか


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アンケートサイト「マインドソナー」を用いての調査によると、「小学生時代の『ぎょう虫検査』が恥ずかしかった」という人の割合は約37%

キットを用いるときに味わう屈辱もさることながら、はがし取ると肛門付近の形状がうっすらとうつし取られる仕様になっているキットを持ち寄って教員へ提出するという行為にも、また別の恥ずかしさがある。

グラフ


調査では、男性で「恥ずかしかった」という人の割合は約25%にとどまる反面、女性では2倍以上の約61%に上った。

「恥ずかしい検査」の廃止が決まったことで、ホッとしている現役女子児童は多いかもしれない。


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■ひっそりと姿消す

なお検査の廃止は、卵の検出率が低下してきたことからひっそりと決まり、あまり話題にならなかったようだ。

同じく「マインドソナー」での調査によると、廃止を知っていた人は約24%と4人に1人に過ぎなかった。

(文/しらべぇ編集部・前田昌宏

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