人前で叱責…部下に「パワハラ指導」だと思われる上司の言動
仕事で部下がミスをしたとき、同じような失敗をしないためにも上司が指導をするだろう。だがここで気をつけたいのが、行き過ぎた指導や発言。
部下のためを思っての発言が、立場を使った過度な叱責やいじめである「パワハラ」と捉えられるケースがあるのだ。
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■「上司の指導はパワハラだ!」と思う部下は49.1%も
しらべぇ編集部がアンケートサイト「マインドソナー」を使って、「上司の発言が指導ではなくパワハラだと思ったことがある人」を調査してみたところ、約5割の人が該当した。
2人に1人が経験者だと考えると、かなりの確率である。上司は、指導の仕方を見直したほうがいいかもしれない。
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■誰でもできる仕事「人前での叱責」
「パワハラ」には、明らかにそうだと思うものと、わかりにくい行為がある。実際に、「この発言は指導ではなくパワハラなのでは?」と思ったことがある2名に話を聞いてみた。
「一般企業で営業事務を担当していました。営業責任者がとにかく俺様な人で、『事務は営業のお陰で生活できている』という態度が見られました。
最終的には、『そのうち事務は仕事がなくなる』『誰でもできる仕事だ』という発言がきっかけで退職へ。上司は軽い気持ちで言っていたようですが、こんなヤツらとは一緒に働けないですね。
小さい会社で相談先も社内にないので、在籍中は泣き寝入りするしかなくて辛かったです」 (事務担当 20代女性)
「営業を担当していましたが、直属の上司がお気に入りの人は全員の前で褒めちぎり、気に入らない人はみんなの前で些細なことでも罵倒する人でした。指導のつもりだったようですが、まったく違いますよね。
お気に入りの人のミスを私に対応させたり、私担当の太い顧客を「今日からこいつ(お気に入り)に担当させろ」ということもありました。
挙句の果てには、会議室で2時間程意味のない叱責をされ、泣くまで出してくれませんでした。これもマネージメントの一環のつもりだったようです。
万一のために、会話のメモも録音も取るようにしていて、いつでも出せるようにしていますよ」 (営業担当 30代男性)
上司は「指導だ」と疑っていないのだろうが、こうした明らかに行き過ぎなものある。深刻なケースだと、被害者側が精神的な病気になったり、自殺をしてしまうことも。
上司の発言が指導ではなく過度であり、「パワハラになるのでは?」と思ったら、ひとりで悩まず会社の相談窓口に連絡するか、公共機関など社外でもあるので話を聞いてもらおう。
(取材・文/しらべぇ編集部・松岡佑季)