再放送が待ち遠しい NHK『ドキュメント72』傑作回4選
暗いのになぜか生きる気力が沸くというこの番組、ぜひ見てはいかがだろうか?
③「青春って恥ずかしい」 北海道大学・自治寮
「今どき珍しい、完全学生運営の寮で生活をする大学生たちが主人公の放送回。ふんどし姿で肩を組みながら寮歌を歌い踊り、みなで食事をし、風呂に入る…ここまでバンカラな生活が今の日本にあるのかと、素直に驚きました。
物語は、寮長の選挙にシフトしていきます。ここで出てくるのが通称ハラミくんと通称ダルビッシュくん。その名に恥じず見た目も格好良いダルビッシュくんと、ヒゲもじゃで太っちょなハラミくんは正直対照的な雰囲気です。
選挙ではダルビッシュくんが圧勝し、ハラミくんは全国放送でその負け姿を披露することになります。敵陣に日本酒をお祝いとして持っていく姿も、哀れにも見える。
ですが、青春ってこんなものではないかと思うわけです。キラキラなんかしてなくて、その中にいる間はもがいているだけ。ハラミくんより年上な視聴者は、それをわかっているから、負けた彼に対しても共感ができる」
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④「幸せの価値観は人それぞれ」 秋田・真冬の自販機
「最高傑作と言われる回。吹雪の中、老若男女が一杯のそば・うどんを求めてやって来る。その絵の情感は凄まじい。
中盤、40代女性と30代男性のカップルが登場します。昔から自販機に来ていた彼女が、彼にそこを紹介したという形です。200円という安さのうどんをすする姿は、普段メディアなどで『理想』と喧伝されるものとは大きく違う。しかし、彼らは本当に幸せそうなんです。
幸せとは何なのか、多くの人が考え直した回なのではないかと思います」
なお、今週金曜日には秋田・真冬の自販機の続編が特別放送される。暗いのになぜか生きる気力が沸くというこの番組、ぜひ見てはいかがだろうか?
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)