五輪エンブレム新旧デザインの評価は…デザイン界は他人ごと?
いったんは佐野研二郎氏のデザインで決定したものの国民的な騒動となり、新たに公募された2020年の東京五輪エンブレムが、ようやく決定した。
最終候補4案の中から国民に開かれた投票を行い、A案だった「組市松紋」が選ばれた。
一方、「A案だけ明らかにデザインが異なるため『A案ありき』だったのでは?」といった疑念や横浜市の林文子市長が「あまりのダサさに驚いている」と発言したことが報じられている。
そこで、しらべぇ編集部が「新旧エンブレムの評価」について全国の20〜60代男女1365名に調査したところ…
■8割以上が「新エンブレム」を評価
前回と比較してオープンな選考過程が評価されたためか、8割以上が新しいエンブレムを評価した。今回の調査結果から見ると、国を挙げてのイベントであることもあり、選び直したのは適切な判断と言える。
関連記事:これぞプロの仕事!熊本・西原村避難所で頑張る自衛隊に密着
■デザイン業界の声は?
一方で「一般国民」からの乖離も指摘されたデザイン業界の人たちは、新デザインや選考過程をどのように評価しているのだろうか?
「身のまわりで『応募した』って人はほとんど聞かないです。もし仮に選ばれたとしても、あれだけの騒ぎになっちゃうのを見ると怖くて…現業も忙しいし応募しようとすら考えませんでした」(20代・男性・デザイナー)
「デザイナー仲間で話しても『ああ、決まったね』くらいで、完全に興味失ってる感じですね。良いも悪いもなく、自分たちには関係ない、関わりたくない世界なイメージ。『触らぬ神に祟りなし』ですよ」(30代・男性・デザイナー)
今回の最終候補4案はすべてデザイナーやアートディレクターによる作品だったが、むしろ「ややこしいから関わりたくない」と考える人が少なくないようだ。
今回の新エンブレムが、デザイン界も含めた多くの国民の気持ちをひとつにするシンボルになることを願いたい。
(取材・文/しらべぇ編集部・盛山盛夫)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年4月22日~2016年4月25日
対象:全国20代~60代の男女1,365名(有効回答数)