話題騒然!Mステのタンバリン男に聞いた「ポップスと、怒りのこと」
4月22日放送のミュージックステーション。3年ぶりに生出演を果たしたスピッツの話題もさることながら、そのバックで異彩を放つ、あるひとりのタンバリンマンが人々の目を釘付けにした。
https://twitter.com/moxtupt/status/724920089418563584
twitterには「あの口笛を吹く謎の男は誰!?」「存在感すごい!」「タンバリン担当の人気に嫉妬」「あれは妖精?」などのつぶやきが溢れ、にわかに話題が沸騰。後日、Yahoo!でも取り上げられている。
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■プロジェクト名は「スカート」
スタジオのブルーのライトに照らされ視覚に食い込んでくるチャーミングなボディは、さながら均整のとれたドラえもんといった風情。しかもタンバリンと口笛がうまい!
そんなファンタジーをまとってお茶の間に降臨した彼の名は、澤部渡。「スカート」というひとりプロジェクトで、ボーカル、ギターはもちろん、ベースやドラム、サックスまでこなすシンガーソングライターである。
忙しい合間をぬって、しらべぇ取材班のインタビューに答えてくれた。
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■光GENJIが大好き
87年、東京都板橋区に生まれた彼は、物心ついた頃から光GENJIに夢中になり、Mステは毎週欠かさず見ていたとのこと。スピッツが歌いだしをミスったハプニングについても
「誰かがわかりやすいミスをすると緊張がほぐれるのか、果実は傷つくとその傷を治そうと甘みが増すといいますが…」
と、アーティストらしい詩的な表現で振り返る。
新譜がリリースされ、大好きなスピッツとMステで共演を果たし「あれよあれよといいことがたくさん起こった」という彼だが、「怒り」もまた、生活に必要な感情のひとつだと言う。
「最近すごく調子がいいので怒りを忘れてきちゃって。だから昔の、軽く貶されてる記事とかわざわざ引っ張り出して読み返して、でムカーっとなって『うん、僕はまだ怒れる』って安心したりしてますね(笑)」
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■ポップミュージックの血が流れる男
光GENJIで開眼した彼は、その後チェッカーズや岡村靖幸、yes,mama ok?や川本真琴などの良質ポップの世界にのめり込んでいく。自身の楽曲も然り、彼の音楽観はポップス抜きには語れない。
ちなみに「スカート」という名前は、女性に対する『憧れの象徴』として命名したとのこと。
「どんなに憧れても女の子には絶対なれないじゃないじゃないですか(笑) でも、バンド名にするくらいはいいだろうと」
そう答える彼は、「スカート」という名前以上にガーリーな男だ。
まさにスカートが風に揺れるような、そんな清涼感をもったサウンドに、憂さを含んだ歌声、そして日常を切なさの側面から捉えたワードが踊るキラキラ泣き虫ポップチューン。
スピッツが好きな人なら、聴いた瞬間にじんわりと肌になじんでくるのを感じるはずだ。
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■干渉しあわず、それでも寄り添って生きる人たちへ
4月20日に3枚目となるニューアルバム『CALL』がリリースされたばかり。5月27日には、渋谷WWWでのアルバム発売記念ワンマンライブを控えている。もちろんあの美しい口笛も披露してくれるはずだ。
本業の忙しさに加え、思わぬところでネットの話題をかっさらった、今ノリに乗ってる彼。今回のアルバムをどんな人に聴いてほしいかたずねてみた。
「僕の作る音楽が万人ウケするわけないんで(笑) でも、めちゃくちゃ寂しいわけでもないけどめちゃくちゃ満たされてるわけでもない、そういう人に寄り添える音楽を作っていきたいと考えてたりはしますね。
他人同士が干渉しあわず、あくまで別の物語として存在していて、で、お互いただそれを眺めながら、でもどこかで寄り添い合ってる…そんな音楽が作れたらなーとは思っています」
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■モチベーションのこと
最後に、何が彼にとって音楽を作り続けるモチベーションとなっているのか聞いた。
「ポップスの諸先輩方に対する憧れもありますし…。やっぱりなにより、ポップミュージックに対する忠誠心ですかね」
3th アルバム『CALL』はカクバリズムより絶賛発売中。