飲酒運転したことある?高齢男性は半数以上が「経験あり」
飲酒運転は、非常に厳しい罰則が課せられる犯罪である。それは国民の常識だ。
だが、15年ほど前までは「事故さえ起こさなければいい」と思われていたのも事実だ。昔のドラマなどでは、刑事が行きつけの店で一杯やったあとに車を運転して帰宅するというシーンがあった。
つまり、かつては「飲酒運転は微罪」という感覚だったのだ。
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■全体平均は「4人に1人」
そこで編集部では、「飲酒運転をしたことがあるか」という調査を運転免許保有者に取った。その結果、全体の25.6%が「したことある」と答えた。4人に1人だから、相当な数字だ。
だが、先述の通り我が国の飲酒運転への罰則は15年ほど前から厳格化した。すなわち15年前にはすでに18歳以上だった人の場合は、さらに飲酒運転経験の割合が高いのではないか?
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■世代によって異なる結果に
その疑問を解くため、今度は世代別の調査グラフを見てみよう。
20代男性の割合は10%程度なのに対し、40代以上の男性のそれは40%を越えている。60代男性に至っては、半数を超える人が飲酒運転を経験しているという。
一方で女性の場合は、40代の割合が2割程度で最高値。どの世代でも、男性側のグラフがより伸びていることがわかる。
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■宣教師は見抜いていた
日本人は「酒の付き合い」というものに多く接する。しかもそれを断ることがなかなかできない民族だ。
16世紀の日本を訪れた宣教師ルイス・フロイスは、著書『ヨーロッパ文化と日本文化』の中でそうした日本人の性質を指摘している。曰く、日本人はお互いに酒をしつこく勧め合うので、泥酔したり嘔吐したりなどという状態になってしまうとのこと。
「自分の制限範囲の中で酒を飲めない」という点は、400年以上も前から進歩していないのだ。だからこそ、厳格な法律がなければ飲酒運転をしてしまう背景もあるのだろう。
いずれにせよ、酒は「飲むもの」であり「飲まれるもの」では決してない。
(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年4月22日~2016年4月25日
対象:全国20代~60代の男女1,075名(有効回答数)