息子の初海外はシンガポールである【溜池ゴローの子育てコラム】
2014年の春。息子が小学校4年生になる直前の春休み。ワシら家族は、シンガポールへ行ってみた。それが、息子9歳にして初の海外旅行だった。 なぜ、息子にとって初の海外をシンガポールにしたか。 それは、
① 距離的に近いこと(飛行機で7時間くらい)
② 様々な人種がいて、とても活気がありそうだということ
③ リー・クアンユーのような偉大なリーダーがいたということ
以上3つの理由からだ。 シンガポールは、華人、マレー系、インド系、ユーラシア人と様々な人種で成り立ち、中華街もあればインド街もある。
そして、ご存知のように「アジアのハブ」と言われるだけあって、世界中から多くの人々が訪れており、昼も夜も活気づいている国だ。
ワシは息子に、世界中から人々が集まってくる活気を感じてほしかったし、早いうちに、様々な人種がいる状況に身をおく経験をしてほしいと前々から思っていた。
■いざ到着
シンガポールに到着すると、息子は初めての外国にワクワクしている様子だった。建築家志望の息子は、有名なマリーナベイサンズなどの建築物を見ては感動し、寺院で行われる儀式には真剣な眼差しを向けていた。
中華街の屋台村のような場所では、息子に食べたい物を自分で探して買ってくるように言って、お金を渡した。すると、息子は人ごみの中を大喜びで見て回りだした。
ワシら夫婦は、息子の姿を見失わないように、遠くから何をどう買ってくるのか楽しみに見ていた。すると息子がある屋台で片言の英語のやり取りの末、何かを買って戻って来た。
両手で大きな皿を運んでくる。皿の上には、どうやら北京ダックが乗っている……ただし、1羽丸ごとである。 食べたいものを何でも買ってこいと言いはしたが、まさか北京ダック丸ごと1羽買ってくるとは思わなかった(笑)
美味しそうに北京ダックに食らいつく息子に、ワシはビールを飲みながら……このシンガポールという面積の小さな国は、リー・クアンユーというリーダーが筆頭になって、ここまで豊な国になったということを伝えた。
「人はやる気になれば、何だってつくれる。建物だけじゃない、国だってつくれるんだぞ」
などと、たかだかAVという小さなものをつくっているワシが偉そうに話していたが、息子は目の前の北京ダックに夢中だった(笑)
■アクシデント発生!
じつは、そのシンガポール旅行で、仕事の都合上、ワシだけ先に日本へ帰ってしまったのだが、妻と息子はそれから2日間シンガポールを思いっきり楽しんだようだ。
その2日間の出来事や息子の様子は、後で妻から聞かされた。こんなことがあったらしい……
お土産屋さんで、息子が棚に飾られていた焼き物のアクセサリーを手にとって見ていたら、ついつい手が滑って落としてしまったらしい。焼き物のアクセサリーは、床に落ちて割れてしまった。
妻は、パリンという音が聞こえた瞬間に息子が落として売り物を割ってしまったことに気がついたのだが、息子がどのような対処をするか見るために、陰からコッソリと息子を観察したらしい。妻によると……
慌てた息子は、割れてしまったアクセサリーを拾い、どうすればいいかアタフタしていたが、レジにいた店員さんを見つけると、それを持って駆け寄っていた。
■息子のとった行動
息子は、片言の英語というか、知っている英単語をいくつか使いながら、半分ベソをかきながらも、レジの女性に一生懸命、理由とお詫びを伝えていた。
すると、レジの女性が必死な息子を見て、笑顔で何かを話しだした。そこで妻は、財布を用意してレジまで行くと……
レジの女性が感動した様子で、息子のことを「彼はとても勇敢だ」と褒めまくったという。黙って逃げたり、すぐに親に泣きつかずに、自分で解決しようと片言の英語で謝りに来たことに感心したらしい。
この出来事は、息子にとって、大きな経験となったとワシは思っている。妻の対処の仕方も素晴らしかった。その対処は、今後の息子の成長に大きな栄養になったはずだ。
ちなみに、割れたアクセサリーの代金は、しっかり払ったということです(笑) このシンガポール旅行は、息子の初の海外旅行でもあり、海外へ息子の目が向くキッカケでもあった。
じつは、シンガポールから帰って来て、息子と相談し、その年の夏休みに、アメリカの2週間ホームステイへ行かせることを決めたのだ。
ということで、今回は以上。
(文/溜池ゴロー)