大分・由布院温泉で震災余波を現地取材 客足減の一方「応援サイト」も

2016/05/04 06:00

4月中旬から断続的に余震が続く、熊本・大分両県を中心とした地震。

気象庁が『平成28年度熊本地震』と命名し、震央でもあることから熊本県の被害に注目が集まっているが、大分県でも震度6弱・5強の揺れによる落石や家屋の倒壊など被害が見られる。

由布院3

また深刻なのが、ゴールデンウィークを迎えた観光産業への打撃だ。


■由布院の客足は通常の1〜2割ほど

由布院駅前

由布市で別荘業を営む田内将樹氏によれば、ふだんのゴールデンウィークはごった返す駅前や湯の坪街道も、観光客の姿が平日よりもさらに少ない印象だという。

写真は震度5弱の余震があった翌日(4月30日)に撮影したものだが、「客足は通常GWの1〜2割程度」と語る。

湯の坪街道


■観光協会はジレンマ

由布院温泉観光協会の生野敬嗣事務局長に話を聞いたところ…

「被災した市町村の中にはGW前に観光客誘致を始めたところもありますが、由布市や観光協会は今回はメッセージを控えました。


というのも、ふだんGWの由布院はお客様が殺到し、身動きが取れなくなるほど混雑します。由布院は小さい観光地のため手伝える人間にも限りがあり、まずはお客様の安全の確保を第一に考えての決断です。


ただし由布院は熊本と違い、一部の方々、一部の店舗・旅館には大きな被害があるとは言え、全体としてはそれほど大きな被害は被っていません。被害の少ない旅館や飲食店などを観光協会としてもバックアップしていきたいと考えています。


たしかにキャンセルが相次ぎましたが、思っていたよりは客足が戻ってホッとしました」


GWは貴重な集客のチャンスではあるが、観光協会としてはまず安全第一という判断。苦渋の決断と思われる。


■予約状況を伝える応援サイトも

そんな中、被災後の旅館の営業再開や予約状況を伝える応援サイトも立ち上がっている。

湯布院ファイト

由布市在住の川嶋雄司さんが開設したFacebookページ『湯布院ファイト』では、営業の状況を伝える旅館の投稿をシェア。中には予約ゼロの状態から満室近くになった宿も報告されており、励まされる。


大分・熊本をはじめとする九州各地が一日も早く日常を取り戻すためにも、「旅」という応援の形も検討したい。

なお、由布院温泉観光協会・旅館組合では、復興関連車両の通行を優先するためにも「JRなど公共交通機関の利用」を推奨している。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト 取材協力・写真/田内将樹)

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