「ババア」という種族の愛されキャラ感は最強
2016/05/05 19:00
初めて彼女が出来た時に、「女性という生き物」について理解し、それ以降は祖母や母などの年上の女性に優しく接する心がけが出来るようになった俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、さまざまな「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■とある身近な女性の例
「BBA」という、ネットスラングをご存知ですか? 高齢者の女性を揶揄する「ババア」という言葉を略したもので、読み方も「ババア」。
筆者が顧問を務める劇団には、「ほしがりBBA」と名乗る、普段はパートをしていてウチの母と同じくらいの年齢の女性がいます。
響きだけ聞くと、完全に「熟女モノのアダルトビデオのタイトル」ですが、彼女がそう名乗る理由は「ババアという響きをもっと愛されるものにするため」。
つまり「ババアという言葉の地位向上」が目的なのです。
■有名なBBAをもとに考察
たしかに以前、女性に対し「ババア」と公の場で発言し「ババア発言事件」にまで発展した政治家さんもいらっしゃいましたし、この言葉のイメージは悪いようです。
しかし一方で、毒蝮三太夫さんや綾小路きみまろさんに「ババア」と呼ばれて、喜ぶ女性もいる。どうすれば「ババア」という言葉の地位が向上させられるのか?
何人かの有名なババアについて分析し、その答えを探してみました。
①砂かけババア
砂をかけてきますが、それなりに優しく、人気者である鬼太郎の仲間なので好印象です。 しかし、砂をかけてきます。
②世話焼きババア
主にお見合い相手を紹介してくれるので、彼女たちもまた有益なババアですが、生活態度に口を出してきたり、食べたくない手作りのお土産を押し付けてきたりします。
こうしてタイプ別に例を挙げてみると、「ババア」の「年長者であり経験や知識が豊富」と「場合によっては図々しい」という2点の特徴を活かし、愛されキャラになっています。
では、一番愛されているババアは誰か? それは「漫☆画太郎が書くババア」です。彼女を悪く言う人はいません。そして、彼女はとても足が速い。
世のババアたちの足が早くなれば「ババア」という言葉がさらに愛される日も、遠くないのかもしれません。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)