盛り上がりの秘密は年中行事?ヒーローとおもちゃの関係
こんにちは、モノブライトのベース、出口です。夏日を記録した今年のゴールデンウィーク、皆様はどのようにお過ごしになりましたか?
私は録画していた特撮作品(主に日曜朝のスーパーヒーロータイム)の中で見逃しがないかを調べるため、複数の作品を見返すひとり上映会を行っていました。
この上映会で「スーパー戦隊、仮面ライダー両シリーズの1年間の起伏の作り方」に興味深い点を発見したのでお伝えします。
■そもそも、いつから新番組が始まるの?
日曜朝7:30からスーパー戦隊、8:00から仮面ライダー。この1時間を「スーパーヒーロータイム」と呼称します。両シリーズがいつ始まり、いつ最終回を迎えるのか、まとめてみました。
切り替えタイミングはおよそ5ヶ月弱、現在放送中の作品で言えば、『動物戦隊ジュウオウジャー』は開始から間もない序盤、『仮面ライダーゴースト』は中盤を過ぎた辺りになります。
元々は両シリーズともに2月頃に番組切り替えのタイミングがありましたが、2009年2月に放送された『仮面ライダーディケイド』の放送期間が半年(全31話)だったため、放送開始が2月頃と9月頃という半年間のズレが生じました。
■物語と年中行事に合わせ計算し尽くされた「1ヶ月の法則」
シリーズにおいて一番重要なポイントは最終回と次回作の初回です。
最後の戦いに赴くまでに物語に散りばめられた伏線を回収しなければ、1年間応援して良かった! という気持ちと、ヒーローたちとお別れしなければいけない寂寥感は生まれません。
この伏線回収の期間が、最終回の1ヶ月程前から始まります。
大団円の最終回を経て次週から新しいヒーローが使用する新アイテムや新フォームも、初回からおよそ1か月(2ヶ月ほど要する場合もある)の間に登場します。
9月頃から2月頃にかけて両シリーズの切り替えタイミングが行われているのですが、この間にある特別な時期があります。
スーパー戦隊は最終回に向けてすべての装備(アイテム、合体ロボなど)が出そろい、仮面ライダーは新しいヒーローがたくさんのアイテムを駆使して戦う時期が12月。
物語上、一番重要な時期が年末商戦と重なっているのです。終わりと始まりという展開の違いこそありますが、物語のボルテージは共通して高いまま。
夢中になったちびっ子のために、サンタクロースも大忙しです。
■エアポケットは存在しない! すべてが繋がる円環構造
時期的に大きな行事がない4月から7月のあいだは、劇中で新しい謎が提示され、それに伴って新ヒーローの加入、最強フォームに変身する展開が用意されています。
そして、8月。田舎の祖父母宅への帰省や縁日など、行楽が目白押しの夏休みに突入したちびっ子は新たなヒーローとフォームに夢中です。
夏休みが終われば9月。仮面ライダーは最終回に向けて、また加速していきます。
1年間を通して両シリーズの物語の起伏はキャッチボールのように交互にやってきて、年末などの特殊な時期に盛り上がりがリンクしているのです。
物語の起伏については作品ごとに異なるので年中行事と物語の相互関係がすべて正しいわけでありませんが、今後の展開を予想し、より世界に入り込む一助になると思います。
5月からのスーパーヒーロータイムを予想してみてはいかがでしょうか。
(文/モノブライト・出口博之)